初の賞金シード権獲得を目指す岩橋里衣(りえ、32=フリー)が日本人トップタイの3位に浮上した。

6位から出て4バーディー、3ボギーの71で回り、通算6アンダー。今季獲得賞金は同ランク69位の約1000万円。来季シード圏内(50位以内)とは約530万円差で、上位で終えれば逆転の可能性がある。申ジエ(韓国)が同12アンダーで首位を守り、2週連続優勝に王手をかけた。

苦労人の庶民派プロが上位に食らいついた。歩んできた人生のように派手さはない。だが、岩橋は1歩ずつ着実に前に進み、3位に浮上した。ともにパー3の6番で10メートル、13番ではカラーから6メートルを沈めてバーディー。ツアー最高額の大会だけに5位でも1000万円を獲得する。賞金ランク69位から一気にシード圏内(50位)へ「意識するとダメになる。1打、1打に集中する」と冷静に話した。

14年にプロテスト挑戦7度目で合格。今季約1000万円を稼ぐまでになったが、安い古民家を探してツアー転戦を続ける姿勢は変わらない。前週の岐阜はNHKの連続テレビ小説「半分、青い。」のロケ地近くに部屋を借り、今週は1泊5000円の温泉付き宿から通う。首位申ジエは6打差と遠いが「この位置にいることがうれしい。楽しくラウンドできている」。初の賞金シード権獲得へ、全力を尽くす。【益子浩一】