マスターズ(米ジョージア州)で、8度目の出場となる松山英樹(27=LEXUS)が、悲願の日本人メジャー初制覇に挑む。舞台のオーガスタ・ナショナルGCは、超難関コース。そこで、昨季まで松山の専属キャディーを務めた進藤大典氏(38)が、2回連載でコースについて解説する。第1回は、流れをつかむ上で重要となる「序盤のショートホール」を取り上げる。

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「マスターズは、前半で作る流れ、リズムが、後半に大事になってくる。これをつかんだ選手が、優勝争いに絡んでくる」と進藤キャディーは話す。難しい1番を乗り切り、比較的、難易度が低い2、3番のチャンスホールを抜けると、4番から7番まで難コースが続く。「パーでいけたら最高」とこの4ホールでリズムを作ることが最重要と説く。

これをクリアするために重要なコースとして挙げたのが、難易度3位(過去の平均スコア3・29)の4番、難易度13位(同3・14)の6番のいずれもパー3の「ショートホール」だ。

なぜ鍵なのか? 「パー3は、パーで上がるのは普通と考える人が多いが、オーガスタでは3を下回ることは少ない。マスターズは、体操やフィギュアスケートなどの採点競技と類似して、求められるショット、攻め方が決まっている。それをきっちり決めないとスコアが出ない。難しいショートを乗り切ることで後半へリズムが生まれる」。

まずは4番。「風が不規則に舞うのでフォローかアゲンストか判断が難しい。ピンのポジションによっては、250ヤードくらいあり、英樹でもアゲンストならウッドやユーティリティーで打つケースが出てくる。さらにグリーンの落としどころは10ヤードの範囲くらい。打ち下ろしなので正確性が求められる」。

次は6番。「ここも打ち下ろしで、風の影響が大きい。グリーンの傾斜もすごい。落としどころが難しく、8、9ヤードの範囲で勝負しなければいけない。ロングパットが残ることが多いので一筋縄ではいかない」。序盤を乗り切れば、次に、「ご褒美が待っている」と話す。明日は後半ロングホールを解説する。

◆進藤大典(しんどう・だいすけ)1980年(昭55)7月3日、京都府生まれ。明徳義塾高、東北福祉大でゴルフ部に所属。宮里優作、谷原秀人、片山晋呉らのキャディーを務め、13年から高校、大学の後輩にあたる松山の専属キャディーとなる。