遼くんが帰ってくる-。男子ゴルフで腰痛のため、離脱していた石川遼(27=カシオ)が、今年のメジャー初戦、日本ツアー選手権森ビルカップ(6日開幕、茨城・宍戸ヒルズCC)で約1カ月ぶりに復帰する。

4日、会場で練習ラウンド行い、インコース9ホールを回って感触を確かめた。3日には、アウトコース9ホールを回っており、急ピッチで調整。万全の状態でコースに戻る。「ゴルフも腰の状態も悪くない。練習後も腰は大丈夫です」ときっぱりと言った。

国内開幕戦となった4月の「東建ホームメイトカップ」を欠場。その2週間後の「中日クラウン」で復帰にこぎつけたが、第1日のラウンド中に腰痛を再発させ、第2日のラウンドを08年にプロに転向して以来初めて棄権した。出場はそれ以来。「次はあってはだめだと思っていた。申し訳ない気持ちだった」。

だからこそ、勝てる状態に仕上げ復帰することを目指してきた。中日クラウン後、10日間は休養したが、そこから週3回のトレーニングとケアを重ねた。「今までは体幹や柔軟をやってきたが、負荷をかけたトレーニングをやるようになった。腹筋とお尻と背筋のバランスが大事だと思ったのでそこを意識してやった」と話す。

先週、千葉・紫CCのすみれコースでラウンドを行い5アンダーを出し、自身にゴーサインを出した。「自分の中でのラインは7アンダーだったが、あと1週間あったのでそこから良くなってくればと思って判断した」と出場に踏み切った過程を話した。

いきなり高い壁が立ちはだかる。同大会は過去に6回出場しているが、予選落ちが4回と奮わない。苦手コースからの再始動と不安は拭えないものの、「今回はコースについて長く考える時間があった。コースの攻め方、マネジメントと…。10アンダーが目安。優勝が17、18アンダーだったらやっぱり苦手なんだなと思う。ただ、焦りはない。ここに仕上げてきた選手とはやっぱり違うので」と気負いなく立ち向かっていく。

令和になって初のメジャーになる。「自分の中でもどかしさがあった。テレビで試合を見たけど、あそこに戻りたいと思ったし、出るだけじゃなく勝ちたいと思った。思うだけじゃなくそのプロセスがある。今もそのプロセスを1つ1つやっている。ここが第1歩のプロセス」。だれもが待ち望んだ復帰戦。ツアー通算14勝を挙げる選手会長が、その勇姿をみせる。