男子ゴルフの米ツアー「ZOZOチャンピオンシップ」(千葉・アコーディア習志野CC)が24日に開幕する。タイガー・ウッズ(米国)など世界最高峰の選手が集う米ツアー(PGAツアー)がついに日本に上陸。そこで、「PGAツアーがやってくる」と題し、3回にわたって連載する。第1回は、大会を運営するZOZOの畠山恩氏に大会成功の鍵を握る「おもてなし」について聞いた。

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ファッション通販サイトZOZOTOWNを運営するZOZO社が、新たな挑戦をスタートさせた。賞金総額約11億円、スーパースターが一堂に会すビッグイベントだが、同社がゴルフツアーを手がけるのは初めて。ウエアなどファッションにも通じるゴルフとのコラボに、畠山氏は「ゴルフは年代、性別を問わないスポーツ。可能性ということでは、企業コンセプトにマッチする。PGAツアーを、ZOZOを通してどう伝えていくか」と話す。

昨年11月の記者発表からたった9人で大会成功に向けて尽力してきた。テーマは「おもてなし」。選手、ギャラリーが「また来年も来たい」と思えるよう、「PGAツアーらしさを失わず、日本テイスト」を取り入れてきた。

「PGAツアーの空気感を感じてほしい」と入場口から工夫をこらした。会場全体はZOZOのカラーでもある黒を基調とし、スタイリッシュに仕上げた。コースには6つのスタンドを設置。ホスピタリティテントは縦15メートル、横40メートルの巨大なものも含め5つ設ける。また、ポスター、入場券、駐車券に至るまで同社のデザイナーがデザインを手がけた。関連グッズも200アイテムを準備する。

「お客さんだったら何を求めるだろうと思ったことを形にした。興味を示すきっかけは何でもいいと思う。琴線に触れるものをどれだけ提供できるか」

選手にはストレスフリーの環境を提供する。食事メニューは、特別さよりも「普段と変わらない」ことを強調し、日本食より米国食を意識した。また、宿泊ホテルには、持ち帰り用に各選手の名前を刻んである箸を用意。練習球も各メーカーのものを用意するなど細やかな気配りが行き届く。

大会の契約は6年。「スポーツはそれぞれの人の気持ちに合わせていろんなメッセージを送ってくれる。それを伝えられる大会にしたい」と願う。【松末守司】