【台北30日=松末守司】「ジャストタッチ渋野」で勝負! 女子ゴルフの渋野日向子(20=RSK山陽放送)が、優勝した8月のAIG全英女子オープン以来2度目の米ツアーとなるスウィンギングスカート台湾選手権(31日開幕、美麗華クラブ=6504ヤード、パー72)に臨む。難関グリーン対策として、強気に攻める「壁ドン」パットを封印し、絶妙タッチで攻めると宣言した。

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渋野が秘策を持ってグリーン攻略に挑む。プロアマ戦に出場し、コースを入念にチェックした。警戒するのは、癖のある独特の芝が生えるグリーン。ヤーデージブックに書かれたグリーンの傾斜を示す矢印が、無数に散らばっているのを見て「まったく読めないですね。目が痛い!」と目を細める。下りが順目で速くなり、上りは逆目。普段は強気に攻めるが、練った策は「今回は壁ドンなしの、ジャストタッチ渋野でいきます」。距離感をしっかり測り、高性能機器で挑む。

コースには風速10メートル近い風が常に吹いている。グリーンを狙った7番パー3で風に押し戻され、手前のバンカーに入れるなど行く手を阻まれた。もちろん、こちらも対策を練るが「風強いでねぇ。低い球を打つイメージで練習したけど、ことごとく失敗」とあっけらかんとして気にしない。「試合では、もっとちゃんとします」と笑い飛ばし、台湾でも自然体はまったく変わらない。

同組は全米女子プロ選手権覇者のハンナ・グリーン(オーストラリア)、全米女子オープンを制した「イ・ジョウン6」こと李晶恩(韓国)。豪華メジャー女王対決がいきなり組まれ注目度は高い。「注目組に入れていただいてありがたい。楽しみたい」と話す。

今大会は、ポイントの高い米ツアーで予選落ちがない。20年東京五輪に向け、五輪出場を左右する世界ランキングを上げるため参戦を決めた。「五輪のためと、今の自分の状態でどこまで世界に通用するかをみてみたい。スマイルシンデレラとこれからも言ってもらえるように頑張ります」。しぶこが台湾でも主役を張る。