【新北(台湾)1日=松末守司】8位から出た渋野日向子(20=RSK山陽放送)が、34位と後退した。3バーディー、3ボギー、1ダブルボギーの74で回り、通算1アンダー、143。15番ティーショットを右に曲げカート道に打ち込むなど、不運も重なり海外2戦目で初のオーバーパーをたたいた。通算12アンダーで首位のホ・ミジョン(韓国)とは11打差と離されたが、海外での経験を糧にくじけず上位を目指す。

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全英女子オープン女王の顔から笑顔が消えていた。渋野が「74」で全英以来の海外2戦目で初のオーバーパーをたたいて34位と失速した。ラウンド後、悔しそうな表情を浮かべながら、「イライラしながらずっと回って情けないゴルフだった」と淡々と振り返った。

前半で2つスコアを伸ばし、一時は3位まで浮上したものの、7番パー3で流れを失った。第2打をグリーン手前の花道からピン約1メートルに寄せ、楽々パーと思われたが、カップをすり抜けまさかのボギー。「あれがすべて」と話した通り、そこから負の連鎖が始まった。後半に入った10番をボギーとすると12番パー5では、第2打をグリーン左手前のバンカーに入れるなどして再びボギーをたたいたが、まだ終わらない。

風が強く吹き付けた15番パー4。ティーショットを右に曲げ、ギャラリーを越えてカート道に打ち込んだ。ガキッ、鈍い音を立てて5番アイアンを振り抜いた第2打は、今度は無情にも池。結局、ダブルボギーとして上位から脱落した。「カート道から打ったのは初めて。流れを取り戻せなかった。コーチは激怒プンプンですね」と反省。青木翔コーチは、「今までが出来すぎ。やっと海外でもまれた感じ」と今後に向け、大きな経験値とした。

11打差と首位の背中は遠のいたが、9月のデサントレディース東海クラシックでは8打差を逆転したように台湾でも諦めず「逆転の渋野」を演じる。落ち込んでいると思いきや、帰り際「辛ラーメン食べます。イライラしてるんで!」としぶこ節は健在。全英女王がこのまま引き下がる訳にはいかない。