AIG全英女子オープン覇者の渋野日向子(21=RSK山陽放送)が賞金女王“ミラクル戴冠”を逃した。「単独2位以上」を前提条件に、首位と2打差3位でスタートしたが、70と伸ばしきれず通算7アンダーの281で2位。賞金ランクも2度目の女王戴冠となった鈴木愛に約757万円差の1億5261万円で2位に終わった。

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<樋口久子の目>

渋野さんは、笑ってプレーします。18番の第2打前も、何か食べてました。余裕なのかな? 「今食べなくても、すぐ食べれるでしょ?」と思うけど、それも時代。私は77年に全米女子プロで勝ちました。「歯を見せるな。勝負はげたを履くまでわからない」と教えられて、育って。だから、私は彼女に驚きます。

でも、時代です。それで切り替えもできる。集中できる。周りの人も、そんな彼女を歓迎する。これからオフに入ります。彼女の勢いが止まる? そんなことありませんよ。ほかの人と違うんです。置かれた立場が特別です。だから、きっともっと努力して、今年以上の輝きを見せてくれると信じています。

鈴木さんは、よく頑張りました。最終日にきっちり盛り返してみせた。申ジエさんも手首を痛めていたようなのに、68を出して平均ストロークの新記録を作った。ライバルが三つどもえで賞金女王争いを見せてくれました。来年もきっと、レベルの高い戦いを見せてくれるはずです。(日本女子プロゴルフ協会相談役)