2020年の男女ゴルフツアーが新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、開幕戦からストップしている。ここまで中止、延期となった各大会の名場面を振り返ります。

◇   ◇

▽1996年(平8)大会(5月23~26日、茨城・大洗GC)

三菱ギャラントーナメントの大会名で行われ、当時49歳の尾崎将司が、国内男子ツアー記録に1打差と迫る8打差の大逆転優勝を飾った。最終日の9バーディー、1ボギーの64はコースレコードだった。8打差の逆転優勝は自身3度目(現在まで4度経験)。それでも「勝つなんて、頭にこれっぽっちもなかった」と、驚きを隠せなかった。

第3ラウンドを終えて、通算1アンダー、首位に8打差の18位だった。ところが最終日は、2番パー5を皮切りに、バーディーラッシュとなった。9番からは5連続バーディー。15番パー5で9つ目のバーディーを奪うと単独トップに立った。ところが続く16番パー3で初のボギー。同時にトッド・ハミルトンが10番パー5でイーグルをたたき出し、2打差と再び開いた。「もうダメかな」と、あきらめかけた。

ホールアウト後1時間、最終組を待った。するとハミルトンが17、18番と連続ボギーとして、通算9アンダー、279で並んだ。迎えたプレーオフは、第1打を右の林に打ち込みながら、執念でパーセーブ。1ホール目で決着をつけた。92年ジュンクラシックで、陳志忠に3ホール目で敗れて以来、4年ぶりのプレーオフだった。

第3ラウンドまでは、狭いフェアウエー攻略に苦しんでいた。そこから最終日の大逆転劇に持ち込めたのは「いろいろ試して、その方法論を知っているから」と、通算96勝目(現在まで113勝)を振り返った。この年11月のダンロップフェニックスでは、前人未到の通算100勝を達成するなど、40代最後の年も強さ健在を示す勝利だった。

 

■過去5年の優勝者

15年 金庚泰

16年 ■世昌(セン・セショウ)

17年 片岡大育

18年 池田勇太

19年 浅地洋佑

※■は危のフシヅクリを取り、見の目を取ったものと言を縦に並べる