ツアー開幕の見通しが立たない中、女子プロゴルファーはシーズンに向けた調整を続ける。日刊スポーツでは主要クラブメーカーの主な契約プロや、使用予定クラブを、クラブ調整のクラフトマン、プロ担当の目から随時紹介。

「クラブのプロが見たプロ」として、2020年シーズンの目標や注目ポイントを探る。第7回はミズノ契約の西郷真央(18=大東建託)。

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尾崎将司主宰のジャンボ尾崎ゴルフアカデミー1期生にして、昨年6月の日本女子アマ優勝者。18年のNHK大河ドラマ西郷どんから、ニックネームは「せごどん」。肩書を硬軟併せ持つ西郷は、ゴルファーとして正真正銘の本格派だ。

小学校6年から4年間、ミズノゴルフアカデミーに通い、同社史上最年少契約プロとなった“ミズノの秘蔵っ子”を、クラフトマン(CM)は「ショットメーカー」と評する。

最大の武器はアイアン(I)だ。近年のミズノではMPシリーズが有名で、クラブ契約フリーだった申ジエがほれ込んで使い、後にクラブ契約を結んでおり、関係者の間で評判の「名器」だった。その伝統を継承するミズノプロ719(5I~PW)を使う。「アイアンショットで活躍したい」という本人の思い、こだわりがそこに宿る。

CMは西郷に「ドライバー、フェアウエーウッド(FW)の飛距離アップ。グリーンに止まるショートウッド、ユーティリティー(UT)のショットの向上」を期待する。西郷自身も5Wから5Iの番手間の距離を大事にし、主にUTの精度アップに取り組むなど、アイアンの切れをより生かすマネジメントを磨いている。

人柄の評価も上々だ。「今春、高校を卒業したばかりとは思えないほど、しっかりとした考え、目的を持っている」とCM。パー4でアイアンショットを使い、ビタビタとピンを刺す。ため息が出るようなショットの切れに、期待したい。【加藤裕一】

<西郷真央のミズノ社クラブ>

▼1W=ST200X(ロフト角8・5度、シャフト=フジクラ スピーダーTR569、硬さSR、長さ45・5インチ)▼3W=ST200TS(海外モデル、15度)5W=ST200(海外モデル、18度)7W=ST200X▼ユーティリティー=ミズノプロUTY4U(22度)▼アイアン=ミズノプロ719(5I~PW)▼ウエッジ=S18(50、58度)

◆西郷真央(さいごう・まお)2001年(平13)10月8日、千葉県生まれ。ゴルフは5歳から。師匠は尾崎将司で、麗沢高3年だった昨年6月日本女子アマ優勝。同年11月のプロテストを18位で合格して“高校生プロ”に。最終QT10位で今季ツアー前半戦の出場権を獲得した。アマチュア時はツアー出場10戦、昨年のニトリレディース30位を最高に予選通過4度。憧れのプロは不動裕理。157センチ、57キロ。