男子ゴルフで18、19年賞金王の今平周吾(27)が、今年は「優勝」にこだわって、3年連続の賞金王に照準を定めた。

2日、横浜市内で日刊スポーツの取材に応じ、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、国内男子ツアーの先行きが不透明な現在の心境を語った。今年は賞金ランク加算対象外となる日米共催のZOZOチャンピオンシップを除き、国内での開催は最大で16試合。短期決戦の賞金王争いとなる可能性に加え、1年延期となった東京オリンピック(五輪)出場に向けても、勝ちきることを重視する考えだ。

今平 女子は今季と来季を合わせて1シーズンということに決まりましたが、男子はまだ何も聞いていません。海外にも挑戦したい考えはありますが、往復で1カ月ほど隔離、行動制限された場合、出場できる試合数も減ってくる。試合数もこなしたいですし、昔から確率の高い方を選ぶタイプなので、今の1番の目標は3年連続の賞金王です。

昨年は2勝、一昨年は1勝で賞金王に輝いた。優勝回数こそ少ないが、昨年は第1ラウンドから棄権した1試合を除く、24試合で予選を通過。うち16試合でトップ10入りという高い安定感で、1億6800万円余りの賞金を積み上げた。

今平 もしも残り試合で今年の賞金王を決めるとしたら、安定した成績を残しても賞金王は難しい。トップ10に何回も入るよりも、2、3勝した選手が有利。だから勝利数を狙いたいです。それが東京五輪にもつながってくると思います。

当初、今年最大の目標としていた東京五輪が、1年延期となった。今年行われていれば現在、世界ランキングで松山英樹に次ぐ日本人男子2番手で、出場権獲得は有力だった。各国の代表は来年6月末の同ランキングで決定。日本人男子初のメジャー制覇となれば、飛躍的に同ランキングは上がるが、国内で優勝を重ねても着実に上がる。仮に女子と同様、今季と来季が統合されても、優勝回数にこだわることが、来年の夢にもつながると考えている。

今季ツアーは1月にシンガポールで開幕戦を行ったが、4月以降の国内大会は中止が続いている。外出自粛で自宅で過ごす時間が増え、新たな試みもあった。

今平 以前は全くやらなかった料理を始めました。完成形はイメージせず、必要な栄養素を補える肉や野菜を買って炒める。見た目よりスピード重視です。

新シーズンは、ゴールが今年12月になるのか来年末になるのか不明だ。「スピード重視」の料理は、短期決戦も見据えた心情を物語る。寸暇を惜しんで体づくりのペースを上げ、開幕に備えている。【高田文太】