原英莉花(21=日本通運)が3バーディー、3ボギーの72で回り、通算10アンダーで10月の日本女子オープンに続く国内メジャー2連勝、さらに第1ラウンドから首位を守る完全優勝を果たした。

ツアータイ記録の1大会4イーグルを記録した古江彩佳(20)が8アンダーで2位。渋野日向子(22=サントリー)は4バーディー、3ボギーの71で回り、通算6アンダーで上田桃子、西村優菜とともに3位だった。

   ◇   ◇   ◇

原選手は(1)緊張から(2)自分に叱咤(しった)、そして(3)自分のゴルフを貫く、と徐々に精神状態を向上させていました。6番までは緊張が見て取れるほど表情も硬かったです。2番パー5でボギーが先行し、さらに表情もプレーも硬くなった印象です。ただ、古江選手が中盤で伸ばすまで、序盤は他の選手も伸ばしていなかったのが救いでした。

吹っ切れたなと思ったのは7番のパーパットです。それまではタッチが合っていませんでしたが、3メートルぐらいのパットを「ガツン」と強めに打ちました。カップの反対側に当たって、一瞬、宙に浮くほど。外せば下りの傾斜で何メートルも先に転がる強さでした。それこそが彼女の決意、自分への叱咤だと思います。7番は上から速く、横のラインも難しいグリーン。弱気になれば、のみ込まれそうな気持ちに活を入れました。ここが勝負の分かれ道でした。

そこからは自分のゴルフを貫きました。積極的にドライバーを握り、特に17番は完璧でした。経験豊富な選手ではできない強気の攻めを続け、パッティングは4日間を通して好調。パターで流れをつくることができると崩れません。12月の全米女子オープンも楽しみです。

古江選手の1大会4イーグルは圧巻です。イーグルは、私は1大会2つはありますが、信じられない記録です。距離感を含めてショットがいいので、オフは考えすぎずに長所を伸ばしていってほしいです。来年まで続く、今シーズンの賞金女王争いの中心になる可能性は高いと思います。

渋野選手は、まだショットのタイミングが速かったり、パットの流れをつくれなかったりする中でも3位に入りました。最終日もアンダーパーで回ったのは、さすが実績も実力もある選手。悔しい思いもあったと思いますが、課題も見つかったと思います。全米女子オープンを経て、来年は再び、今大会のように上位で戦う姿を見られると思います。(プロゴルファー)