上田桃子やイ・ボミらの賞金女王獲得などを支えたプロキャディーの清水重憲氏(46)らが26日、6月に行われる女子の最終プロテスト会場となっている茨城・静ヒルズカントリークラブで同テストを控える選手12人と練習ラウンドを行い、一流ゴルファーたちと磨き上げたコースマネジメントなどを伝授した。

同ラウンドはゴルファー支援なども行っている中古車売買大手のカーセブンが主催して実現した。清水キャディーのほか、小岸秀行キャディー、佐藤あいりキャディー、関根淳キャディー、渡辺宏之キャディー、新岡隆三郎キャディーの6人が参加。全員が男女トッププロのキャディー経験を持っており、選手2人ずつ6組に分かれてコンペ形式で18ホールをまわった。

優勝はイーブンパーの72で回った今綾奈(22)がつかんだ。渋野日向子や畑岡奈紗らと同じ黄金世代で、3度目の受験となった昨年のプロテストでは最終ラウンドまで進みながら惜しくも合格を逃していた。同コースは何度も訪れているが、この日回った佐藤キャディーにアドバイスを受け、「もともと嫌だなと思っていたホールの対処法なども教えてもらった。コースマネジメントが課題だったので役に立つことばかりでした」と笑顔で振り返った。「全員仲がいい」という一足先にプロになった選手らへも思いをめぐらせ「そこに入っていきたい。追いつけ追い越せで頑張ります」と意気込んだ。

佐藤キャディーは同コースについて「我慢するホールが多い」と分析。今らには「自分を許すこと」の重要性を説いたといい「ミスをしても終わりではなく、リセットしてパーを重ねてチャンスを待つことが大事」と語った。

ラウンド後には各キャディーへの質問時間も設けられ、選手らは積極的に手を挙げて疑問をぶつけた。国内男女ツアーで通算38勝の清水キャディーは自身とのタッグで15、16年に連続賞金女王に輝いたイ・ボミとのエピソードも披露。「トッププロの共通点としては調整のうまさ。イ・ボミは体が右に向く癖があると感じたら練習ラウンドで左を向いて練習し、本番では真っすぐに修正されていた。絶好調の波は1年でも2、3週間しかないと言われている。コンディションの波をつくらず、調子でゴルフをしないことが重要です」と選手に語りかけていた。

この日の練習ラウンドには今のほか、篠崎愛、関野愛美、泉田琴菜、リカ・パーク、築山栗子、石山鼓都、梅田日陽、田辺美莉、有本花怜、寺井七海、松崎の麻矢が参加した。日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)のプロテストはコロナ禍の影響で2020年度分が延期に。今年3月から前年度分の1次予選が始まり、2次予選を経て、6月22日から静ヒルズカントリークラブで最終テストが行われる予定となっている。