21位で出た国内通算2勝の稲見萌寧(21=都築電気)が1イーグル、6バーディー、1ボギーの65でまわり、7つスコアを伸ばす猛チャージをみせた。通算9アンダーとし、首位と3打差の5位につけている。

3度目の優勝も狙える位置に急浮上した稲見は「1日を振り返るといいゴルフができたかなと思います。(明日は)天候も良い状態じゃなさそうなので。耐えるところは耐えて、1つでも上位にいけるようにゴルフを組み上げていきたい」と話した。

圧巻だったのは出だしの1番。パー4のラウンドでティーショットをフェアウエー真ん中の絶好の位置につけると、81ヤードの距離からウェッジで狙ったセカンドショットをピン奥約1メートルにピタリ。そのままボールが転がりながら戻り、カップへと吸い込まれた。見事なイーグルとなり、稲見は両手を挙げて「イエーイ!」と喜び、キャディーとハイタッチを交わした。

このホールで勢いに乗ると、その後もショットがさえて続く2番、3番を連続バーディー。4番を挟んで5番、6番でもバーディーを奪い、6アンダーで前半を折り返した。後半は10番で唯一のボギーを喫するも、15番でセカンドショットをピン右手前80センチにつけてバーディー。17番でもウェッジでピン横30センチにつけて6つ目のバーディーを奪って締めくくった。

今大会は初出場。4日の開幕前日に大会スタッフ新型コロナウイルスの陽性反応者が出た影響で練習ラウンドが中止となり、回る予定だったアウトコースを確認できないまま試合に臨んでいた。「どこに打ったらいいかわからなくて、マネジメントミスが多かった」。開幕戦の緊張もあり、結果は2バーディー、3ボギーで1オーバースタート。それでも気持ちを切り替え、2度目となったアウトコースをしっかりと攻略した。

このオフにはほぼ毎日、自宅近くのパーソナルジムに通い、筋力トレーニングのほか、体幹強化などを狙いキックボクシングにも取り組んだ。体もひと回り大きくなり、「昨年よりスイングのブレが少なくなったり、振る時の力の伝わり方とかが変わったかなと思います」。昨年落ち込んでいたスイングのヘッドスピードも好調時近くまで戻ってきているといい、飛距離についても「(1度)落ちたのがちょっと戻ってきている感じ」と復調の手応えも感じている。

今季の目標は複数優勝と国内メジャー制覇。黄金世代とプラチナ世代に挟まれる「はざま世代」の21歳が、21年のスタートダッシュを狙う。