黄金世代の原英莉花(22=日本通運)が21年のツアーベストスコア67をマークした。通算6アンダーと、首位と7打差39位から4打差9位に浮上。今大会2位以上のメジャー・AIG全英女子オープン(8月19日開幕、英国カーヌスティーGL)出場権奪取へ、昨年12月JLPGAツアー選手権以来のツアー通算4勝目へ、逆転V圏内で折り返した。21年5勝の稲見萌寧が同10アンダーの単独首位に立った。

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初夏の空に、鮮やかなブルーのウエアが映えた。原が手応え十分の67だ。前半11番の15ヤードチップインから3連続バーディー。7番パー4では、フェース形状が9番アイアンまでの流れに近い“新兵器”が威力を発揮。48度のウエッジで、残り115ヤードの第2打をピン横80センチにつけた。「取りこぼしがあったのは悔しいけど、いい流れでプレーできました」とほほ笑んだ。

直近の優勝を飾った昨年12月ツアー選手権第1ラウンド以来のビッグスコア。「あの時は“戦ってる”という気持ちの相乗効果もあって67。純粋にゴルフの内容に限れば、今日の方が上かもしれません」。昨年末の全米女子オープン、4月ANAインスピレーションでメジャー2戦連続予選落ち。世界でたたきのめされて、はい上がってきた。

ブルーのウエアには意味がある。AIG全英女子オープン出場権が手にできる今大会2位までに入りたい。同じ尾崎将司門下の笹生優花の全米女子オープン優勝という快挙もあった。「冷静にプレーしたいと思って」。十分すぎるモチベーションで空回りしないためのチョイスだ。

首位に“現在最強”の稲見がいる。「今年の開幕戦で一緒に回った時に思いました。“モネはちょっとすごい”と。体も大きくなって、ショット音が違った。一目見て、オフにどれだけ頑張ったかがわかった。強いなって」。メジャー切符をつかむため、稲見を止めて優勝するため。残り2日。原がギアを上げていく。【加藤裕一】

○…稲見が2日連続ボギーなしで、2打差2位から単独首位に浮上した。66に続く68。パーオン失敗は2、5番だけという、相変わらずのショットメーカーぶりを発揮。「風が昨日よりあって、ピン位置も難しくて、その中での2日連続ノーボギーはすごくいい。60台もいいですね」。優勝すれば、現在2番手の東京五輪代表争いで3番手古江に対して圧倒的優位に立ち、賞金ランクも1位に浮上する。

◆最終日を首位で迎えた大会で過去3度、優勝をさらわれた稲見と同組で回る2位山下 稲見さんはすべてが安定して、すべてが上手。引っ張ってもらえるようで、プレーがしやすいです。

◆五輪代表を争う首位稲見と5打差18位で予選通過した古江 (代表決定まで)残り少なくなってきたので、自分がちゃんと上位でフィニッシュしたい。