渋野日向子(22=サントリー)が2バーディー、2ボギーの72で回り、通算イーブンパー、144の38位で予選を突破した。

序盤からボギーが先行する苦しい展開の中でも粘りをみせ、後半9ホールは全てパーを並べてスコアをキープ。3日目以降の逆襲を狙う。初日首位の勝みなみ(23=明治安田生命)が2つ伸ばして通算8アンダー、136でトップを守った。137人が出場し、通算2オーバー、146までの77人が決勝ラウンドに進出した。

   ◇   ◇   ◇

しぶとく粘り、渋野がまずは予選通過を果たした。前半を2バーディー、2ボギーで折り返すと、後半はパーを拾い、耐える展開が続いた。10番、11番は連続で3メートルのパーパットをねじ込んでしのぐ。その後も「狙いたいバーディーパットもあった」が、リスクを冒さずパーを9つ並べた。「粘るゴルフが久しぶりにというか、初めてぐらいできたんじゃないかな。明日からこれを無駄にしない2日間にできたら」と笑った。

会場に近い茨城・水戸の名産で「米国でも日本食スーパーで買って毎日食べるくらい好き」という納豆さながらの粘り。上位を狙いたい思いを抑え、最低限の予選通過をにらんだ戦いだった。試合中の予選カットラインは1~2オーバーを推移。渋野にとっては1つのミスが命取りだった。「(カットラインは)めっちゃ気にしてました」。欧州遠征帰りの自主隔離期間で満足な練習もできていない中、現実的な選択だった。

筑波大出の両親が過ごした茨城は「第2の故郷」と語るほど思い入れが強い。プロ初優勝で初の国内メジャー制覇となった19年ワールド・サロンパス・カップも茨城GCだった。7月中旬に今回同様、海外遠征帰りで出場したGMO&サマンサ・カップは同じ茨城開催で予選落ち。「そのリベンジができたかなと思う分、うれしい」と語った。

首位とは8打差で決勝ラウンドに臨む。簡単な差ではないが「明日から2日間はアンダーまで持っていきたい」。実は今大会中はまだ納豆を口にしていないが「粘るために食べた方がいいですね。食べます。ハハハ」。粘る気持ちと集中の糸を切らさず、残り2日を戦いきる。【松尾幸之介】