悩める男?の木下稜介(30=ハートランド)が7アンダー、65をマーク。ホールアウト時点で単独首位に立った。7バーディー、ボギーなしの65。「グリーンも硬いし、ラフもそこそこボールが沈む。ティーショットがフェアウエーキープできたのが良かったです」。大院大時代に加え、プロ転向後も1、2カ月に1度は回って熟知するコースで理想のプレーを見せた。

国内メジャーの6月ツアー選手権でツアー初優勝、ダンロップ・スリクソン福島オープンで2戦連続優勝。7月に初出場のメジャー・全英オープンで予選通過、8月にはWGCフェデックス・セントジュード招待にも出た。最高のシーズンのプロ8年目。しかし、実は悩みもある。

「どうしようかと…。今は半々ですね」。

現在賞金ランク2位。1位星野陸也に92万3087円差と肉薄しており、今大会で逆転はもちろん、賞金王を完全に視界に入れている。本来はそこが大目標だったが、21日のネットニュース「石川遼の米下部ツアー予選会挑戦」を見て事情が変わった。今週から3戦目、ブリヂストンオープン終了時点の賞金ランク5位以内で米下部ツアー予選会最終予選の出場資格が手にできる-。「ニュースで初めて知ったんです」。松山英樹、石川と同学年で強い海外志向の持ち主には、実に魅力的なカテゴリーだ。

「もしファイナル(最終予選)に行けば、三井住友VISA、ダンロップフェニックスあたりに出られなくなる(ので、賞金王が厳しい)」

「全英、WGCを経験して“ここ(海外)でやらないと、もっとうまくなれない”ことがわかったので、少しでも早く海外に行きたい」

今後のゴルフ人生を左右する分岐点を前にした木下には、ツアー選手権優勝で発生した5年シードも判断材料の1つになる。

ニュースを見てすぐ、用具契約を結ぶブリヂストンのスタッフに連絡。調べてもらった最終予選エントリーの締め切り期限は、ブリヂストンオープン最終日の10月10日だ。「多分、ギリギリそこまで悩むことになると思います」。ある意味、うれしい悲鳴を上げながら、今季3勝目へ、文句なしのスタートを切った。【加藤裕一】

 

<3バーディー、2ボギーで48位の石川遼>なかなかうまくいかない1日でしたけど、アンダーで回れて良かった。ティーショットをフェアウエーに置くことが大事。ラフからのボギーに気をつけたい。

<後半インの3連続バーディーなどで69。24位の世界アマランク1位中島啓>インの途中からバーディーを取りやすいと思えるホールがある。そこまでしっかり耐えて、スコアが伸ばせたらいいですね。