15年大会優勝者で米ツアーメンバーの小平智(32=Admiral)が5打差逆転Vに挑む。この日は元賞金女王の妻・古閑美保の応援を受け、1打差3位スタートから68を出して通算13アンダーまでスコアを伸ばし、2位に踏ん張った。

前半7番のボギー先行が、小平の心に火をつけた。「吹っ切れた。やるしかない、攻めなきゃいけないと思った」。8番から3連続バーディー。16番パー5は残り200ヤードから7番アイアンで10ヤード超の曲がり幅で大きなフックをかけ、左前8メートルに2オンさせ、イーグル逃しのバーディーだ。

3つスコアを伸ばしたが、7つ伸ばしたノリスとは5打差もついた。「追いつくには厳しい差」という。ただ「自分からどんどん攻めなきゃ。1打でも縮めて、プレッシャーをかけていきたい」と自分に言い聞かせた。

ファンともども、喜ばせたい人がいる。妻の古閑美保が前日夜に現地入り、この日は夫の18ホールをついて回った。目立たぬよう、夫から極力離れて見守っていた。小平は「(プレーを)見たい、見たいって言ってくれるんで。美保にはいつも寂しい思いをさせてますからね」と言う。

最終日の大逆転へ。「メリハリあるゴルフをしたいです。まずパットが決まらないと話にならないので、タッチとラインをしっかり合わせて、前半に最低でも3つぐらい(バーディーを)とりたいです」。アグレッシブなプレーで、最後までV戦線に食らいつく。【加藤裕一】