プロ9年目の堀琴音(26=ダイセル)が通算5アンダー、ホールアウト時点で首位と3打差の上位で予選通過を決めた。

1アンダーの28位からスタートし、風が強まるコースで4バーディーを奪取。木村彩子、川満陽香理と3人だけとなるノーボギーラウンドで68をマークした。「開幕戦はいい成績を残したことがなく、昨日も最初はすごく緊張しました。でも、その後は自然体でプレーできています」。今大会は過去出場5戦で最高位31位、予選落ち3回。決して相性の良くないコースでの好プレー。ただ、笑顔の理由はそれだけではない。

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昨年大会は忘れられない。第2ラウンドの最終18番、震える手で1メートルのパーパットを沈めた。19年4月スタジオアリス女子オープン以来約2年ぶりの予選通過をカットラインぎりぎりで決めた。

「主催者推薦で出させてもらって、2年半ぶりぐらいに予選を通って…」。約半年間も記憶違いするほど、トンネルは長かった。「あれから1年で大きく変わりました。優勝できたのも、あの予選通過がすごく自信になったから」。昨年6月ヨネックスレディースから、初優勝した7月ニッポンハムレディースをはさみ、今大会までツアー出場25戦で予選落ちは1度しかない。長かったスランプがウソのような安定感だ。

このオフは持ち球のフェードをより磨くため、先輩のフェードヒッター有村智恵のアドバイスを受け、腹筋を中心に体幹強化に努めてきた。強風が吹いたこの日、ボギーなしで回れた要因がレベルアップしたゴルフにあることは間違いない。「昨日のスタートホールで“シードをとって、ティーオフを迎えられた。楽しいな”と思った」。残り2日、V争いに身を置けば、26歳はもっと楽しくなる。

◆堀琴音(ほり・ことね)1996年(平8)3月3日、徳島市生まれ。ゴルフは7歳から。滝川二高時の12、13年にJGAナショナルチーム入り。14年下部ツアーで当時2人目のアマチュアV。同年プロテストで永峰咲希、柏原明日架らと同期合格。3年保持したシードを18年に喪失後、昨季賞金ランク27位で返り咲き。姉はツアー2勝の堀奈津佳。165センチ、56キロ。