学生ゴルフの強豪・大阪学院大の平田憲聖(21)が、国内男子ツアーの日本開幕戦・東建ホームメイト杯(31日-4月3日、三重・東建多度CC名古屋)でプロデビューする。昨年8月の日本学生優勝で出場資格を得たサードQTを突破してプロ転向。同12月最終QTで日本人最上位2位となり、今季ツアー前半戦出場権を獲得した。今春4年になる“学生プロ”の所属は大院大。木下稜介ら大学OBに負けない活躍を目指す。

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学生生活はまだ1年以上残っていたが、プロ転向に迷いはなかった。平田は「いい時にプロになりたいと思った」という。昨年8月末の日本学生に優勝した。ナショナルチームメンバーの蝉川泰果に1打差で競り勝ち、ツアー出場権を争うQTのサードからの出場権を勝ち取った。

今が“その時”と思った。「1年後にサードから出られる保証はないので」。サードQT(11月30日~12月3日)を12位で通過してプロ転向を宣言。12月7日から宮崎・トム・ワトソンGCで行われた最終QTは通算7アンダー、日本人最高の2位で今季ツアー前半戦出場権を手にした。

国内男子ゴルフ界は若手の台頭が目立つ。昨年9月にツアー優勝し、今春のマスターズに出場するアマチュア中島啓太や、アマチュア時に国内のレギュラー、下部ツアーで結果を残し、今季プロ1年目を迎える選手もいる。

平田は知名度では彼らに劣るものの、焦りも力みもない。「まずはシード権をとること。変に気負わず、周りに影響されず、自分のスタイルを貫けたら(プロで)通用すると思っています」。プロデビュー前の今オフも普段通りだった。季節柄、ラウンドやショット練習は減るものの、トレーニングと並行して実施した。コンパクトなスイング、ステディーなスタイルを磨いた。

幼少時にタイガー・ウッズのスイングにシビれ、ツアー出場に声をかけてくれた石川遼の人柄に憧れ、大院大OBの木下、亀代順哉らの背中を追う。「所属の大院大、スポンサーの皆さま、ゴルフ部のみんなの期待に応えられるよう精進します」。前半戦後のリランキングで後半戦出場権を得てシード奪取へ。そしてツアー初優勝も-。静かに準備を整えていく。【加藤裕一】

<15年秋に日刊アマ優勝 3人目中学生チャンプ>

平田は15年秋に、中学3年で日刊アマゴルフ全日本大会で優勝している。会場は男女の日本オープンを開催している石川・片山津GC。日本屈指の難コースを2日間2オーバー、146で回り、並みいる大人の強豪アマを押さえて、逆転優勝を飾った。

中学生での優勝は、ツアー21勝を誇る池田勇太、昨季賞金ランク37位でシード入りした若手で売り出し中の小斉平優和に次いで3人目の快挙だった。あれから7年。平田は学生プロとして、ツアーの荒波にこぎだしていく。

日刊アマを制した先輩2人は、ツアーで活躍を見せている。平田もゲンのいい大会での中学生チャンプとして、これからどんな活躍をするのだろうか。楽しみとともに、期待も十分だ。【町野直人】

◆平田憲聖(ひらた・けんせい)2000年(平12)11月26日、大阪・吹田市生まれ。ゴルフは祖父の影響で8歳からで、12歳から本格化。15年日刊アマ全日本優勝、昨年日本アマ4位、日本学生優勝。ツアー出場9戦で、18年マイナビABC選手権でローアマ獲得。170センチ、68キロ。ドライバー飛距離290ヤード。得意クラブはパター。目標のプロは石川遼。