首位と3打差の11位から出た、ささきしょうこ(26=日本触媒)が、アクシデントを乗り越え、首位と2打差の4位に浮上した。

4バーディー、ボギーなしの68と4つ伸ばして回り、通算9アンダー、207。前週のアース・モンダミン・カップは、優勝した木村彩子に1打及ばず2位だったが、18年10月の樋口久子三菱電機レディース以来、約3年8カ月ぶりとなる、ツアー通算4勝目のチャンスが早速訪れた格好。

「今日は、こんなスコアが出るとは思っていなかったので不思議なくらい。ただ、先週悔しい思いをした分、今週、最終日はノビノビとプレーできたら」と、笑顔で話した。

実はこの日の午前3時過ぎ、前日1日の第2ラウンドまで帯同キャディーとして、バッグを担いでもらっていた山下慶弘氏から、体調不良を訴える連絡が入った。

「症状を聞くと熱中症の症状だったので『命にかかわることなので休んでください』と言いました」と、第1ラウンドは36・1度にも達した猛暑の影響で、引き続きバッグを担いでもらうのは難しいと判断した。日本女子プロゴルフ協会を通じて、女性のハウスキャディーへの交代が認められた。

初顔合わせからすぐに第3ラウンドに臨んだが、4つ伸ばすなど好調をキープした。ともにパー3で4メートルの難しいラインを沈めた、5、8番のグリーン上では、新キャディーのアドバイスを生かして伸ばした。

「ハウスキャディーさんは何年ぶりかにお願いして、もっとバタバタするかと思ったけど、ラインも聞かせてもらった。特に前半の2つのバーディーは、ハウスキャディーさんのおかげ。氷や冷たい水分を用意してくれて、暑さ対策も」と、新たに組んだ女性キャディーに感謝しきりだった。

「なるべくトラブルにならないように、ティーショットは慎重にフェアウエーに運ぶこととかを、いつもよりも思っていたのがよかったのか。ショットがブレなかった。トラブルが少なくて、ボギーになる可能性が本当になかった」と、ハウスキャディーを混乱させまいという親切心が、スコアアップにもつながった。

2週連続で、最終日の優勝争いに加わることになった。「(前週は)正直、悔しさの方が大きかった。ただ、リランキングのことを考えれば『後半戦(の出場権)は、これで大丈夫』と思えたし、そういう良いところだけ見て切り替えた。勝てなかった悔しさはあるんですけど、それ以上に後半戦に出られるようになったわけですから、まずは(自分を)褒めようと思いました」。

最終ラウンドは、帯同キャディーの山下氏が回復していれば、バッグを預けることも考えるが、基本的には無理させないつもりだという。2人のキャディーへの感謝を伝える、ツアー4勝目を目指す。