日本ゴルフ協会(JGA)ナショナル・チームのガレス・ジョーンズヘッドコーチ(HC、51)が同チームメンバーの蝉川泰果(21)の日本オープン優勝をたたえた。

最終日は蝉川をロープ外から見守り、最大8打差が最終的に2打差まで狭まる展開に「アメージング!」と興奮した。

同HCは昨年末に同チーム入りした蝉川を「フェラーリ」と表現した。「エイムポイント(手をかざしてラインを読む方法)やショートゲームを学んできたが、とにかくドライバーショット、ヘッドスピードがグレートウエポン。フェラーリを止めようとは思わないけど、マネジメントを考えてよりスマートな運転をしてほしいね」と“安全運転”の上積みで、さらなる進化を期待した。

男子で金谷拓実、蝉川と同学年の中島啓太、今大会3位の杉浦悠太ら。女子でも畑岡奈紗、勝みなみ、古江彩佳、西村優菜ら。同HCに「事前準備」「マネジメント」などの重要性を教わり、より才能を開花させた“ガレス・チルドレン”は多い。

タイプも性格も多種多様な教え子を導くコツを「まずコミュニケーションが大事」と明かす。25年前、学校の先生にゴルフを教えた。その時、逆に「人に教えるために最も必要なこと」として教わった。同HCは「選手がコーチについてまず気にするのは、自分をケアしてくれるかどうか。技術やメンタルの指導はそれからの話」と信頼関係の構築からすべてが始まることを訴えた。

◆ガレス・ジョーンズ 1971年8月10日、英国生まれ。95年にプロとなる。97、98年にはツアー選手として活躍。その後オーストラリア国立スポーツ研究所などを経て、同国ナショナルコーチ就任。15年にJGAナショナルチーム・ヘッドコーチ就任。17年にはネイバーズトロフィーチーム選手権で13年ぶり男女アベック優勝。米女子ツアーで活躍する畑岡奈紗、古江彩佳らも指導。男子の金谷拓実、中島啓太がアマチュアランキング世界一になるなど、その手腕は高く評価されている。