国内男子ゴルフツアーの今季開幕戦、東建ホームメイト・カップ(三重・東建多度CC名古屋)が30日に始まる。

昨季賞金ランキング23位の片岡尚之(25=フリー、江別市出身)が初戦に臨む。21年にプロ初優勝を飾ったが、昨シーズンは未勝利。今季は改造中のスイングを完成させ、ツアー2勝目、そしてシード権確保を目標に定めている。

23年シーズンを目の前に片岡の表情は引き締まっている。「ワクワクというより、大丈夫かなとドキドキしている。(2年前に)優勝してからずっと年間のシードがあったけど、今年はしっかり賞金シードを取らないといけない。今までで一番勝負の年」と語気を強める。

21年5月にプレーヤーズチャンピオンシップ・サトウ食品でプロ初優勝を飾り、3年シードを獲得した。昨季賞金ランキングは23位。年間のトップ10入りは6回あった。平均パットは1・7071、サンドセーブ率は64・394でともに2位。「自分の強みとして自信にもなった」とグリーン周りでしっかりとスコアつくった。

一方で、ここ数年曲がるショットに悩みながら試行錯誤が続いていた。昨季フェアウエーキープ率は86位と苦しんだ。昨年11月の三井住友VISA太平洋マスターズで予選落ちした後、危機感は募り、シーズン中ながら大幅なスイング改造に着手した。ツアー31勝の片山晋呉らを指導してきた谷将貴コーチのもとで指導を受け始めた。

新たなスイングづくりへ練習は地道なものだった。アプローチ練習でウエッジこそ握ることはあるが、ショットの練習では基本的に7番アイアンしか持たない。手打ちにならないように体全体で振ることを意識。フルスイングはせず、肩から肩までの小さい振り幅で打つ練習を繰り返している。シーズン開幕後も継続していく予定で「試合をしながらスイングをつくるのは難しいと思うがめげないようにしたい」と話す。

昨季は優勝こそなかったが国内メジャー日本プロ選手権で2位。「なかなかそう簡単には勝てないというのが去年、身に染みるほどわかった」。今年の同選手権は7月に恵庭CCで開催される。地元北海道で行われるメジャー大会はもちろん楽しみな試合の1つ。今季の目標は「2勝目を挙げること。そしてシード保持」と掲げた。まずは開幕1戦目へ「去年も4位でそんなに(コースの)相性は悪くないと思う。4日間戦えるように頑張ります」と新シーズンに挑む。【山崎純一】

 

◆片岡尚之(かたおか・なおゆき)1997年(平9)12月28日、江別市生まれ。ゴルフ関係の仕事をしていた父の影響で2歳から競技を始める。札幌光星高-東北福祉大。14、16、18年北海道アマチュア選手権優勝。東北福祉大在学時の19年11月にプロ転向。20年9月のフジサンケイ・クラシックでデビュー。ドライバー平均飛距離290ヤード。得意クラブはパター。好きな食べ物はラーメン。趣味はダーツとユーチューブを見ること。171センチ、69キロ。