首位から出た昨年の年間女王・山下美夢有(21=加賀電子)が4バーディー、ノーボギーの68で回り、通算9アンダーの135で今季初優勝、昨年のツアー選手権リコー杯以来となるツアー通算7勝目を飾った。

2位の岩井千怜らに一時逆転され、ともに9アンダーで迎えた最終18番。2打目をピン横1・5メートルにピタリ。バーディーパットは外したものの岩井がボギーとなり、激戦に終止符を打った。

「今日はノーボギーでラウンドできたのが良かった。あまりショットが(ピンに)つかなかったんですけど、18番が一番ショットが良かった。最後はそんなに距離もなかったし、バーディーをとったところより簡単だったので、決めたかったんですけどね。初優勝したバンテリンを思い出しました」と、初優勝を飾った21年のKKT杯バンテリン・レディースで、優勝が決まっていたものの1メートルのバーディーパットを外したことを振り返り苦笑した。

今季6戦目での優勝。「毎試合優勝を目指すのを心がけている。女王になって早く勝たないという感じはなかった」と焦りはなかった。一度は2打差を付けられても「キャディーさんと『どうやったらバーディーを取れるかな』と話してました」とアプローチとパターでしのいで優勝をつかんだ。

山下は今大会で行われるJLPGAツアー唯一の小学生競技部門「スタジオアリス女子オープン ジュニア☆カップ」の第4回大会「小学3~4年生女子の部」(11年)と第6回大会「小学6年生女子の部」(13年)で優勝している。当時はプロになろうとは思っておらず、「不思議な感じ」と笑った。それでも、プロになって優勝したことで、「ジュニアの子もプロを目指していると思う。『山下プロを目指します』という子が増えるようにもっともっと頑張りたい」と目を輝かせた。

出場資格を持つ米メジャーの「シェブロン選手権」(20日開幕)と、国別対抗戦「インターナショナルクラウン」(5月4日開幕)を欠場し、国内ツアーに専念することを今大会前に表明したが、シェブロン以降に行われる他のメジャーについては「挑戦していきたいと思ってる。そこで頑張れたらいい」と意欲を見せた。