金谷拓実(Yogibo)が国内メジャー初制覇へ、好発進を切った。高精度のティーショットを武器に、7バーディー、ボギーなしの64をマーク。7アンダーで米沢蓮とともに首位につけた。海外大会に積極参戦し、2月にはアジアンツアー優勝を果たした。着実に成長を遂げている25歳が、国内で21年4月以来となる優勝に挑む。3打差3位に中島啓太ら5人が続いた。

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最終18番パー4、金谷の第2打はグリーンの左奥へと転がり落ちてしまった。初ボギーのピンチも、直後のアプローチでピンそばにぴたり。落ち着いて対処し、「今日はあまりアプローチする機会がなかったけれど、パーセーブできて良かった」。ノーボギーで初日を終えた。

ティーショットがさえた。フェアウエーキープ率71・4%で全体4位。パーオン率は72・2%で同8位とグリーンを捉えた。15番パー5こそ第2打が左ラフに入ったが、残り90ヤードの第3打を約3メートルにつけてさらにスコアを伸ばした。「ティーショットの調子が良く、フェアウエーをたくさん捉えることができた。積極的なプレーができたかなと思う」。

パットもさえた。3番と10番では10メートル近いバーディーパットを沈めてみせた。「良いスピードで打てている。グリーンの状態もすごく良いので、気持ち良くパッティングできる」。メジャー大会のために仕上げられたコースで躍動。「宍戸ヒルズはすごく難しいコース。その中でしっかりノーボギーで回れ、7アンダーで回れたことは自信になる」と充実した表情を浮かべた。ショットとパットがかみあい、好スコアにつなげた。

昨季は海外に軸足を置いて腕を磨いてきた。今季も海外に4試合出場し、2月にはアジアツアー初勝利をマーク。成長ポイントは、この日も安定していた「ティーショットの精度」と自己分析。「自信を持って振れている。昨年よりはすごくいい状態かな」と手応えを口にする。

21年4月の東建ホームメイト・カップ以来となる国内での優勝と、国内メジャー初タイトルを目指す。「ツアー1位を決める大きな試合。歴代チャンピオンも素晴らしい選手がたくさん優勝している。その中で自分も優勝できれば」。勢いを加速させ、頂点へと突き進む。【奥岡幹浩】

◆金谷の今季の海外試合 2月のアジアツアー、サウジインターナショナル35位。翌週の同ツアー、インターナショナルシリーズ・オマーンで初優勝を飾った。続く欧州ツアーのタイクラシックは28位。4月のアジアツアー、インターナショナルシリーズ・ベトナムでは4位に入った。