松山英樹(31=LEXUS)が、大逆転劇で優勝をつかみとった。最終18番で約1メートルのパーパットを決めると、右拳を握った。小さく、だが力強く。真っ白なボールをカップから拾い上げると右ポケットにしまった。歩みよった早藤将太キャディーとガッチリ握手すると笑みもこぼれた。

首位と6打差7位から出たが、9バーディー、ボギーなしの62と猛チャージ。コースレコードにあと1と迫る見事なプレーだった。通算17アンダーで2位に3打差をつけ、22年1月の「ソニー・オープン」以来、約2年ぶりとなるツアー9勝目。アジア勢では崔京周(韓国)を抜き、単独最多勝利となった。

同大会はタイガー・ウッズの関係財団が運営している。過去の実績などを含めて出場者が限定された高額賞金の大会で、優勝賞金400万ドル(約6億円)も獲得した。同コースは28年ロサンゼルスオリンピック(五輪)の競技会場として使用されることが決定している舞台でもある。

打ち下ろしの1番でバーディーを奪うと、2番ではグリーン右からのチップインでバーディー。3番でも約6メートルのパットを決め、3連続バーディーで発進し。勢いに乗った。

後半開始の10番からも3連続バーディー。12番ミドルでは2打目を6番アイアンでグリーン右奥につけると、約15メートルのパットを見事に沈めた。「パットがよかった。これ以上望めないというようなラウンドだったので、すごくよかったかなと思います」。15番のミドルでは第2打をピンそば約30センチにつけバーディー。単独トップに立った。16番ショートでも第1打でスーパーショットを放ち、さらにスコアを伸ばす。17番のロングでは2オンに成功し、この日3度目の3連続バーディーで優勝を大きく引き寄せた。

「今週いいプレーをできたのを自信に変えて、マスターズまで時間があると思うので、しっかりと高めていければいいなと思っています」と次を見据えた。