TBS系で生中継されたバレーボール女子決勝で、中国代表選手の名前を日本語読みした実況を巡り、X(旧ツイッター)で疑問の声が相次いでいる。
日本はこの試合で中国に0-3のストレート負け。1978年バンコク大会以来48年ぶりの優勝を逃し、2大会連続の銀メダルに終わった。
中国のアウトサイドヒッター呉夢潔(24)が得点を重ねる中、実況では日本字音の「ゴ・ムケツ」が繰り返されたことに注目が集まった。姓と名の切れ目が分かりにくく、「ゴムケツ」と一語のように聞こえたことから、Xでは「もうゴムケツって言いたいだけじゃねえのかってぐらい発音がゴムケツ」「ゴムケツではなくゴ・ムケツ」「ゴで一旦切ってほしい」など、違和感を指摘する声が相次いだ。
同じ中国代表の陳厚羽も、実況では「チン・コウウ」と呼ばれ、Xでは「実況が放送禁止用語言わはったと思って調べてみた」との声も上がった。
呉は「ウー・モンジエ」、陳は「チェン・ホウユー」が本来に近い発音。スポーツナビの登録選手欄では、同様の表記となっていることから、「ゴムケツって誰?と思ってメンバー表見ても該当なし」「誰のこと?」「ウー・モンジエと呼ぶべき」と混乱する人もいた。
今大会では、バレーボールに限らず、疑問を呈する声が寄せられている。「中国人の日本語読みいい加減やめない?」「何で漢字を無理やり日本語読みにするんやろか……」との声も。さらに「外国人の尊厳を考えてほしい」「アナウンサー、それは敬意が足りないだろ」など、否定的な反応も少なくなかった。また、表記が放送やメディアによって一定しないことから「中国の選手の名前を日本語読みじゃなくて中国語読みにしてほしい。背中の名前表記と合わない」との意見があった。
もっとも、原音に近い読みを用いる際には課題もある。中国語には四声があり、子音や母音にも日本語にない音があるため、カタカナで原音を正確に再現することは難しい。NHK放送用語委員会の2008年資料にも、中国語には方言や四声があり、日本語の50音では原音を表しきれないとの委員意見が掲載されている。
ネット上では、中国人名の日本語読みについて、1972年の日中国交正常化時に「政府間で両政府が互いの人名を自国語で読むと決めた」とする説も流布している。だが、国立国会図書館のレファレンス協同データベースによると、この説を調べた事例は「未解決」。回答には「いずれも人名表記についての取り決めに関する記述は見当たりません」とある。NHK放送用語委員会の2008年資料は、日本字音読みを「相互主義」に基づく原則と説明し、国交正常化後も「この慣用が続いている」と説明している。


