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福士13人抜き大阪へ気合/駅伝
- 5区を走ったワコールの福士加代子(左)は他の選手をごぼう抜き
<全日本実業団対抗女子駅伝>◇16日◇岐阜・長良川競技場発着(6区間42・195キロ)
北京五輪へ初マラソン挑戦が濃厚な福士加代子(25=ワコール)が「マラソンモード」の爆走で3年連続の区間賞を獲得した。最長区間の5区(11・6キロ)で13人抜き。チームは9位に終わって悔し涙も浮かんだが、正確にラップを刻む進化を見せ、来年1月の大阪国際が有力視されるマラソン挑戦へ収穫を得た。渋井陽子(28)を擁する三井住友海上が歴代最多となる6度目の優勝を飾った。
5区11・6キロを走り抜けた福士の前に、たすきを渡す相手がいない。予想以上の速さにアンカー湯田の準備が間に合わず、数秒間の待ちぼうけ。仲間も驚く爆走だった。24位でたすきを受けての13人抜きで、3年連続の区間賞。それでもチームは9位に終わった。01年には16人抜きの芸当も見せているだけに「ダメだった。20人抜けたら良かったのに」と、瞳には悔し涙が浮かんだ。
来年1月の大阪国際で初マラソン挑戦が濃厚。だからこそ「私の原点」という駅伝で、仲間と初めての日本一になりたかった。今大会の予選となる11月の淡路島女子駅伝では、左ひざ痛を抱えながら「出してください」と永山監督に直訴。説得されて断念したが、福士にとって駅伝は、単なる「マラソンへの前哨戦」ではなかった。
収穫もあった。永山監督から「序盤は自重して走れ」という指示を受け、はやる気持ちを抑えて走った。最初の1キロは3分9秒、36分42秒で走った11・6キロの平均も1キロあたり3分9秒8。向かい風を受けながらも同じペースを守る「マラソンモード」の走りだった。この日の悔しい思いは、マラソンという新たなステージにぶつける。【太田尚樹】
[2007年12月17日9時0分 紙面から]
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