今週はワールドカップ(W杯)日本大会で頂点を狙う強豪国を、ラグビージャーナリスト村上晃一氏(54)が徹底分析。第1回は前人未到の3連覇を目指すニュージーランド(世界ランク2位)と前回4位のアルゼンチン(同11位)。同氏による5項目の戦力チャートと共に、各チームを掘り下げる。

ラグビーW杯1次リーグ組分け
ラグビーW杯1次リーグ組分け

<ニュージーランド>

最多3度のW杯優勝を誇る常勝軍団は「オールブラックス」の愛称で親しまれる。

ラグビーがもっとも人気の高いスポーツであるラグビー王国は、才能には事欠かない。16、17年と2年連続で世界最優秀選手に選ばれたボーデン・バレットは、ゲームを操る司令塔でありながら瞬時の加速で相手防御を置き去りにする攻撃力をあわせ持つ。世界最高のNO8と言われるキアラン・リードなどビッグネームがそろうタレント集団は、粘り強い防御からボールを奪い、スピーディーにトライを奪う。そのアクロバティックなプレーは世界中の観客を魅了。試合前のド迫力のウォークライ「ハカ」もあって、日本大会でもファンが見たいNO・1チームだ。

 
 

ヘッドコーチは前大会でもチームを率いたスティーブ・ハンセン(60)。常に穏やかな表情で語る冷静な指揮官だ。ただし、16年以降、アイルランドに2敗し、今年の8月10日にもオーストラリアに26-47で完敗。この時は前半終了間際にレッドカード(退場処分)が出て、相手より1人少ない14人で戦ったというハンディはあったが、簡単に失点するあたりは不安材料。主力に負傷者も出ており、3連覇への道のりは平たんではなさそうだ。

<アルゼンチン>

00年代に入って最も強くなったラグビーチームがアルゼンチン代表だろう。同国内にはラグビーのプロリーグがなく、多くの選手が欧州のトップクラブでプレー。07、15年のW杯でベスト4に進出している。世界屈指の司令塔ニコラス・サンチェスを軸にキックパス、トリッキーなステップなど変幻自在の攻撃で走り回る。フランカーのパブロ・マテーラを筆頭に低く突き刺さる「ロータックル」もアルゼンチンの特徴。情熱的なプレーは常に観客の胸を打つ。

16年からは日本のサンウルブズと同じく、ジャガーズというプロチームを編成してスーパーラグビー参戦。メンバーをほぼ代表選手で固め、今年は初の決勝進出。アルゼンチン代表はW杯の戦績が認められ、12年から南半球4カ国対抗「ザ・ラグビーチャンピオンシップ」に参加している。

16年は南アフリカに勝利も、17年は全敗。停滞感が漂い、18年8月、前任のウルテガ氏に代わって元代表フッカーのマリオ・レデスマ氏(46)が4年契約でヘッドコーチに就任した。レデスマ氏はチームの結束力を強め、18年は南アフリカ、オーストラリアからそれぞれ1勝を挙げ、今年はニュージーランドと4点差の接戦を繰り広げた。強豪ひしめく1次リーグC組を勝ち抜き、世界一を目指す。