■世界ランク6位オーストラリア

オーストラリア代表には、そのエンブレムから「ワラビーズ」という、かわいい愛称がある。しかし、ワールドカップ(W杯)での実績は華やかだ。過去8大会で4度決勝に進出して2度優勝。ニュージーランドが「スピード」、南アフリカが「パワー」なら、オーストラリアは「組織」。世界をけん引する2強に勝つため、新戦法を編み出すなど、知恵と工夫を凝らすのがワラビーズ流だ。


2014年から指揮を執るマイケル・チャイカ・ヘッドコーチ(52)は、イタリア、アイルランド、フランスなど世界各地を渡り歩いた経験豊富なコーチだ。15年大会で準優勝して以降は、国際試合で18勝24敗2分。いまひとつの戦績に解任論も出たが、W杯を前にチームを立て直してきた。

ボールあるところに必ず現れるフランカーのマイケル・フーパ-、抜群の突破力を誇るCTBサム・ケレビらを軸に、パスを多用して攻め続けるスタイルを磨き、8月10日にはNZに47-26で快勝したのだ。この試合では、13年以降ワラビーズを離れ、欧州でプレーしていたジェームズ・オコナーがCTBとして先発復帰した。18歳で代表デビューした天才も29歳。円熟のスキルでワラビーズの攻撃力を押し上げるのは間違いない。甘いマスクも手伝って日本大会のアイドルになる可能性も十分にある。