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ホーム陸上ホーム箱根予選会結果&全日本

全日本大学駅伝展望
過去最高のチーム シード権確保なるか!?

 いよいよ目前に迫った全日本大学駅伝。箱根駅伝予選会を1位で通過するなど勢いに乗る法大だが、本格的な駅伝は今季初。チームとしての目標はあくまでシード権の確保だが、それ以上に「各選手が実戦でどれだけ使えるのか」(苅谷部長・談)を試す場としての意味合いが強い。それだけに今季の行方を占う大事なレースとなることは必至だ。


 監督のコメントによると今大会は、「予選会上位組み」を中心に有原忠義・圓井彰彦を加えたメンバーで臨むことになる。名実ともに法大のエースとなった長嶺貴裕、中核を担う中村洋輔は、昨年得た教訓を活かして体調管理も比較的うまくいっている。快走が期待できるだろう。その他の予選会組みで注目なのが、岡田拓也。昨年は大ブレーキだっただけに、今大会のリベンジに期待したい。今季は29分台をマークし、予選会でも長嶺、中村に次いでチーム内3位と、今最も伸びている選手である。だがその逆にスランプにあえぐ選手もいる。原田誠だ。「(29.24.1)の自己新をマークした日体大記録会から調子が下がり気味」とは本人の談。予選会も十分に実力を発揮できずに終わった。今大会ではその殻を破り、実力を発揮できるのかが試される。 予選会に出場していない有原忠義・圓井彰彦は共に故障上がりだが、調子は上々。2人は予選会に出場していないため、今大会では結果の残る走りが監督に求められている。経験豊富な有原は、緊張することなく自身の力を出せるだろう。圓井も大学駅伝こそ初出場だが、高校時代に大舞台の経験(世界ユースなど)は幾度と無く積んできている。雰囲気に呑まれることなく自然体で臨めるかがポイントだ。


 ここ数年、法大は全日本で無理をした選手がそのまま戦線離脱という悪循環に陥ってきた。そのためか今回は、黒田将由・白田雄久を温存。完全に箱根に照準を合わせてきた。だが、この2名を欠いても今の法大は上位に食い込めるだけの力を持っている。飛びぬけていい選手はいないが、チーム全体のレベルは確実に過去最高だろう。そのことは平均タイムが証明している。各選手がいかんなく力を発揮できれば、シード権確保も確実だ。



10月18日、箱根駅伝の予選会が、神奈川県箱根町の芦ノ湖畔コースで行われた。第80回記念大会となる今大会は予選からコースは箱根と、アップダウンの激しいコースに厳しいレースが予想された。天候は寒すぎず暑すぎずと好コンディションの中、スタート。レース序盤、4年の長嶺主将は4位あたりにつけ、同じく4年の中村、岡田(2)、佐藤(3)と選手たちはぞくぞくと続く。やがて集団はバラけ始めるが、長嶺は粘りの走りで先頭集団に位置し続け、最後まで離されることなく(全体の)4位、チームトップでフィニッシュ。チームを引っ張る走りを見せてくれた。 なかにはコースの厳しさに苦戦した選手もいたが、大きく遅れる選手がなく、その後も次々と皆ゴールに駆け込んだ。12人中8人は50位以内と大健闘の結果、法大は総合タイム8時間37分50秒で、予選会トップで箱根への切符を手にした。エース・黒田(4)など主力の選手が欠く中、十分に戦える層の厚みが見えてきた。



*予選通過校 成績*
最終
順位
大学名最終総合
タイム
ptによる
タイム
レース総合
タイム
レース
順位
1位法大8:37:50 ――― ―――― 1位
2位亜大8:38:07 ――― ―――― 2位
3位神奈川大8:38:16 ――― ―――― 3位
4位帝京大8:38:57 ――― ―――― 4位
5位東農大8:40:34 ――― ―――― 5位
6位関東学院大8:40:56 ――― ―――― 6位
7位早大8:38:160:03:248:41:407位
8位城西大8:43:050:01:598:45:049位
9位国士大8:44:210:02:508:47:1112位

*コメント*

成田監督
「(今日の結果は)まったく予想外。いい意味で裏切ってくれた。ただ、うちが良かったというよりは、他のチームの調子が良くなかったと思う。上位10人の記録はまとまっていたが、下位の2人、坂野・原田にはもう少し走ってもらいたかった。(今のチーム事情は?)チームの平均タイムは過去最高。全体的な底上げが出来てきたのではないだろうか。ベストメンバーが組めなかった状況で、予選を突破できたのはうれしい。友廣もよくなってきているし、層の厚さが少しずつできてきている。今、必要なのは山を登れる選手。下りは去年走った子(白田)がいるので。調整は比較的うまくできている。うちは(実力を発揮できるかどうかという意味で)不安定な選手が多いが、今年は大事な大会で力を発揮できるようになった。今年で私が就任して5年目だが、今の4年生がいるうちに本選で良い結果を出したいと思う。目標はシード権の獲得だ。(全日本が控えているが?)変に力を抜くということはせずに、今回走れなかったメンバーも含めてのそのときのベストに近いオーダーで挑みたい。とりあえず今日の疲労を抜くために、休ませる。(選手に望むことは?)とにかくケガをしないこと。今年のうちの中心は長嶺、黒田、中村。この3人には特に気をつけてもらいたい」

苅谷部長
「今日の予選では、まさかトップ通過出来るとは思ってなかったから、その点では大健闘だったね。選手たちには100番以内で帰って来いと言っていたので、9番〜12番あたりが遅れた点だけ課題だけど、よくやったと思う。とにかく今年はこの予選通過にかけていた。一昨年、昨年と故障者を多く出してしまったので、今年は、合宿でも練習量を減らし、選手の体に余計な負担を掛けないように取り組んだ。次は全日本駅伝だけど、一週間で疲れがどれだけ取れるかで、成績も決まってくる。でも、法政の目標はあくまで箱根駅伝。余計な冒険をして故障者を出しては困る。成田監督もその点では慎重にメニューを組んでいた。とにかく“量”より“質”っていうことだね。今のチームには指導している側から見ていても、落ち着きが感じられる。浮ついたようなところが無い。長嶺は、今までのうちの「エース」とは少し違うが、堅実な性格で、チームを良く引っ張っていってくれる。それに4年生がドロップアウトせず、今までかなり順調。4年生がしっかりしている年はうまくいく。また経験者の多い2年生が、今までぱっとしなかった3年生を押し上げて良い効果が出ている。今のチームは私の目から見る限り、「夢のチーム」に成りつつある」

・4年

長嶺 貴裕主将 (チーム1位 タイム 50:53  総合順位 4位 )

(今日の感想は?)ラスト1キロで力尽きてしまい、並走していた他の3人に追い抜かれてしまったのが、今回得た課題。ここを含めて、勝負どころはラスト5キロ。ここを走れるかどうかがポイントになると思っている。今回一番きつかったのは、最初の3キロ。チーム的には底上げができてきた。(1位という結果を見て)とれないメンバーではないと思っていた。今はいい感じでチームが仕上がってきている。自分は言葉で伝えるのが苦手なので、走りでチームを引っ張っていきたい。(今後について)全日本は昨年の教訓を活かして、きっちりと合わせて実力を発揮できるようにしたい。(箱根)本選の目標は個人的には、どこを走るかわからないが区間賞をねらっていく。チーム的には5位が目標。そのためにも本選で20キロ走りきる、粘りをつけていきたい。ラスト5キロをはしれるかどうか、そこで勝負が決まる。」

中村 洋輔 (チーム2位 タイム51:15 総合順位14位)
「序盤はあまり体が重くて不安だった、走ってるうちにリズムにのれた。後半きつかったけどふんばれた。なんとかねばれてよかった。(坂は)実際はきつかった。二度と走りたくない。(狭さについて)スタートでばらけてよかった。(個人成績14位?)まずます。欲をいえば一桁でしたが。(チーム二位)去年(まさかのチーム最下位)があったので、貢献できてうれしい。(今後の目標)こっから調子を全日本に合わせていきたい。今回の疲れをとるのは難しいががんばりたいです」

深津 新太郎 (チーム8位 タイム 51:56  総合順位 49位 )
「原田が落ちてからやばいなと。気を引き締めました。(チーム8位?)10位以内が目標だったのでよかった。個人も目標の100位以内に入れてよかった。(坂)は登りより下りがきつかった。下りは急ぎすぎて足がついていかなかった。(四年にして初の予選会は?)最後でいい思い出になった。自信にもなった。本戦も走っていい思い出にしたい。(今後の目標)今回チームで8位だからといって本戦にでれるわけではない。残り何回かわからないけど大切に走りたい」

坂野 清志 (チーム12位 タイム 54:06  総合順位 175位 )
「今日は思った通りの走りが出来なっかた。アップダウンが思った以上できつかった。(道幅がとても狭いように見えたのですが、実際に走ってみてどうでしたか?) スタート直後は団子状態だったので、他の選手とぶつかって、とても走りづらかった。(前回のインタビューで勝負所は後半の登りと言っていましたが、どうでしたか?)山道(遊歩道)で勝負を掛けたがだめだった。(2週間後に全日本大学駅伝がありますが)疲労は2週間でできるかぎりとるが、疲労は残ると思う。だが、今のチームは4年間で一番いいし、総合タイムもいいのでぜひがんばりたい」

・3年

佐藤 浩二 (チーム4位 タイム 51:32  総合順位 24位 )

法政で4番にゴール出来たことは、自分としては驚いているし、満足。今まで、少し故障していたので、合宿でも練習が十分出来なかったし、皆より練習量がずっと少ない。その中で、この成績になったことは嬉しい。スタートしたときは焦らずゆっくりペースを作っていった。どうせ周りが後から落ちてくるんで、 そのときを待っていた。自分はとにかく坂があるコースが好き。去年の(立川での)予選会よりもずっと楽に感じた。上り坂が特に得意なので、安定して走れた。この予選会で本選でのアピールも少しは出来たかなと思う。来年は最後の年だし、やっぱり周りには負けていられない。ずっと調子は良くないと思っていたが、今は順調に来ている。今年は本選まで昨年みたいなことにはならないよう、故障せずにやっていきたい」

中矢 章太 (チーム9位 タイム 52:35  総合順位 95位 )
「ちょっと今日の結果についてはショックです。(チーム9番目)初めのスタートで周りと少し接触して、出遅れてしまった。スタートで失敗してしまったので、最後まで引きずってしまったのが・・・。自分が最下位だと思っていたけど、なんとかぎりぎり持ちこたえた。ゴール地点の林道を下るところもつらくて、離れないように頑張って走った。2年生にもどんどん抜かされたので、悔しかった。今回は通過が最低条件だったので、まあ自分は駄目だったけど良かったと思う。これで黒田さんとかが戻ってくると楽しみ。今度は全日本駅伝だけど、体力の方は一日寝れば大丈夫。出場出来たらうまくアピールして、今年も本選で(昨年の10区のように)おいしいところを持っていきたい」

杵渕 勉 (チーム10位 タイム 53:19  総合順位 137位 )
「(走り終えてみて?)正直へこんだ。上りがぜんぜんだめで、上りのたびに抜かされた。チームで8位以内が目標だったけどそれも達成できなかった。調子もあまり良いわけではなかった。(本戦へ)走れれば走りたい。あきらめずがんばりたい」

・2年

岡田 拓也 (チーム3位 タイム 51:24  総合順位 18位 )

「(走り終えて)力出せたと思う。夏を通して練習こなせてたからまあまあよかった。チームの状態もいいと思う。(坂は?)気にならなかった。みんな条件は同じなので。(レースの流れは?) 落ち着いて入って、位置を見つけてねばった。良い走りが出来たと思う。(本戦へは)予選会でよくても本番で走れないと意味ないから。駅伝で結果を出したい。(走れたら)区間内上位で走りたい」

秋山 和稔 (チーム5位 タイム 51:33  総合順位 25位 )
「(1位通過と聞いた時は)信じられなかった。(レースの流れは)最初は上り下りで体力を削られた。後半、林道のところで冷静な走りができた。ラスト1kmがポイントだからそこまでは力をおさえて走っていた。最後(佐藤)浩二さんのところで抜けられなかった。でも目標(50番以内)については満足している。(今後の課題は)ペース配分と走り方。意識をせず走れるように。(全日本に向け)新人なので失敗を恐れず走れたら思いっきり走りたい。(本選にむけて)チームが上位で往路3位以内に入りたい。走れればチームに貢献したい」

白田 雄久 (チーム6位 タイム 51:41  総合順位 34位 )
「(調子は?)悪くはなかった。最初オーバーペースで行ってしまったので立て直すのが大変だった。(坂については?)もっと行けるかなと思った。でも思ったより足にきてきつかった。(芦ノ湖での開催ですが?)箱根で走ると気持ちが引き締まる。(狭い道でしたよね?)気にはならなかったけど、抜くのが大変だった。(個人の順位は?)10番台を狙っていた。納得はいっていない。でもこれは本番にとっておきます。(チームとしての状態は?)悪くはない。(本大会は?)六区を走りたい。六区しかないです。(ふり返って?)去年は予選会を走ってはいない。今年は予選、本選走ってチームに貢献したい。(最後に?)箱根頑張ります」

山口 航 (チーム7位 タイム 51:46  総合順位 39位 )
「(今日の調子は)仕上がりは良かった。チーム7番、チームに貢献できた。(レースについて)初めてのコースでタイムがわからなかったので、順位を気にしながら走った。上りのところでペースが落ちてしまった。あと、頑張りどころのラスト1kmで止まってしまったので筋力の補強が今後の課題。(本選にむけて)タスキをつけて走りたい。今、皆タイムが同じくらい。気を抜いたらだめだから、課題をクリアして少しずつあげていきたい」

原田 誠 (チーム11位 タイム 53:22 総合順位 139位 )
「今日は だめだった。情けない。上り(がだめ)とかじゃなくて、最初は先頭の方にいたけど、つっこみすぎてしまった。(調子は) ピークが日体大記録会で、今は下がり気味だった。チーム10位以内が目標だった。本戦がんばります」



*個人成績*
法大内順位選手名タイム総合順位
@長嶺(4) 50:534位
A中村(4) 51:1514位
B岡田(2) 51:2418位
C佐藤(3) 51:3224位
D秋山(2) 51:3325位
E白田(2) 51:4134位
F山口(2) 51:4639位
G深津(4) 51:5649位
H中矢(3) 51:3595位
I杵渕(3) 53:19137位
J原田(2) 53:22139位
K坂野(4) 54:06175位


*また、駅伝チームは11月2日、第35回全日本大学駅伝対校選手権大会(名古屋〜伊勢) に出場予定。


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