吾輩も坊っちゃんである! 第87回選抜高校野球大会(21日開幕、12日間)の甲子園練習2日目が行われた。引き揚げる松山東(愛媛)と入れ替わりにグラウンド入りしたのは、初戦で対戦する二松学舎大付(東京)。この2校、やはり縁がある。

 初戦は「夏目漱石対決」だ。漱石は1895年に愛媛県尋常中学(後の松山東)へ英語教師として赴任。その経験を元に小説「坊っちゃん」を書き上げたが、それよりも早い14歳時の81年に、当時漢学塾の二松学舎の門をたたいている。

 松山東は偏差値70に迫る進学校だが、二松学舎大付も負けてはいない。北本一樹主将(3年)は、特進コースに在籍する野球部一の頭脳派だ。チームをまとめるために、アドラー心理学を扱った「嫌われる勇気」や「賢者の書」などを次々に読破。「哲学的な本が好きです」と明かす読書家は「去年の夏は悔いが残る負け方をした。その思いを晴らしたい」と意気込む。

 相手が売りにする投手力でも、昨夏ベスト16に導いた2年生バッテリーで圧倒してみせる。大江竜聖投手(2年)は「4番打者の米田選手には特に気をつけたい」と既に戦闘モード。今村大輝捕手(2年)も「大阪に入って打撃の調子が上がってきた」と心強い。学校の歴史をかけた戦いが始まる。【松本岳志】