3季連続で甲子園に出場した静岡野球部の内山竣外野手(3年)が9日、明大商学部のスポーツ推薦入試に合格した。東京6大学リーグ37回の優勝を誇る名門野球部でプレーする。50メートル5秒9の俊足と高校通算19本塁打のパンチ力をアピールし、神宮の星を目指す。

 合格を確認した内山は「うれしいですね。ホッとしました」と素直に喜んだ。センバツ出場前の今年2月、沼津で行われた明大のキャンプに1日参加し、チームの雰囲気の良さとレベルの高さを肌で感じていた。特に東京6大学史上最多記録の131安打(今秋に樹立)を放ち、阪神にドラフト1位指名された高山俊外野手の打撃を見て、大いに刺激を受けていた。

 「スイングスピードと飛距離がすごかったです」

 明大野球部は、全国から好選手が集結し、毎年のようにプロ選手を輩出しているが、臆さずに「スピードと打撃をアピールしていきたい」と意欲を見せる。最速で4秒を切る一塁到達タイムはプロでもハイレベルの域。既に木製バットでの練習に取り組んでおり、持ち前のパンチ力で外野の間を抜けば、一気に二塁、三塁を狙える。守備位置も右翼にこだわらず、「守備の課題は送球。大学ではどこでもやります」。同校の先輩で明大2年の水野匡貴投手からは「私生活の面でも厳しいぞ」とアドバイスされ、心構えもできている。

 前日8日に法大に合格した同校の安本竜二内野手(3年)と東京6大学リーグでのライバルとなるが、内山は対戦を心待ちにしている。「楽しみですね。2人ともレギュラーとして同じグラウンドで戦ってみたいです」。

 昨年11月の神宮大会では右手親指を骨折して欠場。チームも初戦敗退と悔しい思いをした。高校野球の聖地から、大学野球の聖地へ。静岡のスピードスターが神宮球場を駆け回る。【鈴木正章】

 ◆内山竣(うちやま・しゅん)1997年(平9)4月6日、湖西市生まれ。鷲津小3年から野球を始め、鷲津中では浜松シニア。中3時に投手から外野へ。静岡に進学し1年秋から中堅、3年センバツ後から右翼手。175センチ、73キロ。左投げ左打ち。