<春季高校野球北海道大会:北海7-0東海大四>◇16日◇札幌地区代表決定戦◇円山

 北海が東海大四を7回コールドで下し、3年連続32度目の代表を決めた。昨春のセンバツ甲子園8強の右腕エース玉熊将一投手(3年)が、三塁を踏ませぬ力投で散発2安打の完封。ここまで3試合25得点と強打の東海大四を沈黙させた。

 1年秋に北海の背番号1をつけた男が勝負のシーズン、付け入るスキを与えない右腕に成長した。玉熊は初回先頭打者に粘られて四球を与えたが、低めの際どいコースをついた。「あーっ、いかん」というエースの表情とは裏腹に、この7球を見ただけで平川敦監督(41)は「今日はいい」と勝利を確信した。4番打者の伊藤諄(じゅん)投手(3年)には2安打を許したが、強力打線に三塁も踏ませず7回を完璧に封じた。

 5-0の7回裏1死満塁で玉熊が左翼越え二塁打を放ち、コールド決着。予想もしない試合展開に両チームとも、試合終了に気づくのに間があった。「高めは少なく、低めにコントロールできました。先頭打者の四球は悔しかった」と76球を振り返った。春初戦となった12日の札幌月寒戦(2回戦)では、5イニング無失点に抑えたが、本来の投球ができなかった。フォームに微妙な崩れがあったが、短期間で修正した。地区は3試合13イニング、被安打3、奪三振10、四死球3で無失点で乗り切った。

 「冬場は特別なことはしていません。ゆっくりと体づくりとフォーム固めに取り組みました」。1食につきドンブリ2杯のごはんを食べ、体重は2、3キロ増えた。平田成(なる)捕手(3年)は「今年は直球の回転が良く、春先から受けてて手が痛い」と笑った。最速は143キロ、低めの内外角にきちっと投げ分けられるようになり、変化球も生きてきた。

 昨秋全道準決勝で北照打線につかまった。屈辱の降板に「力不足でした」と唇をかんだ。迎えた最後のシーズン、大きな仕事をする期待が膨らんだ。【中尾猛】