<高校野球北北海道大会:白樺学園7-2芽室>◇27日◇十勝地区2回戦◇帯広の森
昨夏の北北海道代表・白樺学園が芽室を下し、初戦を突破した。1年生の本格派右腕、斎藤敦哉投手が初回に左膝に打球を受けるアクシデントに見舞われながら、9安打2失点で公式戦初完投した。
打線に5点をもらった直後の1回裏、斎藤敦にアクシデントが襲った。先頭打者の4球目、打球が左膝に直撃した。182センチの長身右腕は、苦痛に顔をゆがめ、仲間に抱えられてベンチに引き揚げた。
「行けるか?」。戸出直樹監督(36)からの言葉に、「行かせてください」と直訴し、再びマウンドへ向かった。痛みで力が入らない。軽やかだったフォームは変わったが、痛みが伝わらないよう表情は意地でも変えなかった。「先輩たちと1日でも長く試合をしたいですから。絶対に負けたくなかった」と気丈だった。試合後、左膝は大きく腫れた。それでも4月に16歳になったばかりの1年生が、114球を投げきった。
昨夏、チームは甲子園で1勝を挙げた。新たなチームの大切な夏初戦だった。戸出監督は「春までは5回までしか投げてなかった斎藤敦が9回しっかり投げられたのは大きい」と話した。春季大会も4試合中3試合で先発した。今月、慶応との練習試合では1-2と敗れたが初めて9回を完投した。「自信になりました。球速も速くなった」。高校に入って投法も変えた。「ヨイッショ」「ヨッシャー」「ウォー」と1球ずつ雄たけびを上げる。「気合で負けないため」と工夫した「絶叫投法」とカーブ、直球のコンビネーションで相手を封じ込んだ。自分への期待と役割を理解し、投手として力を磨いている。
赤平中時代、成長痛に苦しんだ。2年時の途中から卒業までの1年半で150センチの身長が30センチ伸びた。「膝や腰が痛くて野球がほとんどできなかった」と振り返る。痛みと闘っていた時期に白樺学園の甲子園の試合を見た。「ここで野球がやりたい」。大きな体を手に入れると球速も伸び、最速138キロをマークするまでになった。「この学校で今年も甲子園に行きたいです」と、目指すものは大舞台へ向いている。【上野耕太郎】

