<センバツ高校野球:今治西5-1光星学院>◇21日◇1回戦
光星学院(青森)が今治西(愛媛)に1-2でサヨナラ負けし、念願のセンバツ初勝利はならなかった。2回に榎本直樹(3年)のタイムリーで先制。先発の左腕・六埜雅司(3年)が4回まで無失点に抑えたが、5回途中からリリーフのエース下沖勇樹(3年)が同点に追いつかれ、9回裏にサヨナラ打を浴びた。それでも初めての聖地で、大物ぶりを発揮。プロ注目右腕は雪辱を期して、夏に出直す。
涙は流さなかった。甲子園に初めて姿を現した、みちのくの怪腕・下沖が、白星を飾ることはできなかった。それでも「悔いの残る試合。敗戦は自分の責任です」と、しっかりした口調で話した。主将、エースに加え、この日は4番も打った。チームリーダーは、現実をしっかり受け止めた。
金沢成奉監督(42)が、思い切った投手起用に踏み切った。下沖を先発でなく、リリーフで使う策だ。作戦は成功したかに見えた。先発の六埜が4回まで1安打無失点。5回2死一、二塁で下沖につないだ。ところが代わりはなにタイムリーを打たれ、同点にされてしまった。
その後は尻上がりに持ち味を発揮。自己最速146キロの更新こそならなかったが、最速145キロの速球にフォーク、チェンジアップを織り交ぜ、相手打者を抑え込んだ。だが味方打線も勝ち越し点を挙げられないまま9回裏へ。2死一、二塁から相手エース大戸翔平(3年)に左前に運ばれ、力尽きた。
「少し高めに浮いていたが、真っすぐも変化球も良かった。気持ちで負けた」と下沖は言う。昨年秋の神宮大会では「初の全国大会で緊張して」慶応に敗戦。この日は「緊張ではなく、ピンチに力が入りすぎた。相手投手の方が冷静だった」と相手をたたえた。
この冬は八戸市内の相撲道場に通うなどして下半身の柔軟性を高め、フォーム改造に取り組んだ。ユニホームが新調されたのを機に、帽子のつばの裏には「おれに任せろ!
最強で最高のエース」とマジックで書いて、今大会に臨んだ。だが勝利の女神はほほえまなかった。
金沢監督は「大舞台でこれだけの投球をしてくれたのは立派」とねぎらう。下沖は「負けは負けとして、切り替えて出直しです」と夏へ向けて再出発を宣言した。【北村宏平】

