一度はドジャースとの間で3年4500万ドルという大型契約で合意したと伝えられた岩隈久志投手。その後岩隈自身がロサンゼルスで身体検査を受けた際異常が発見されたとの情報が流れるなど契約の正式発表がされない状況が続き、現地16日には交渉が決裂したことが明らかになった。

 合意時に地元メディアなどが挙げていたけがの多さへの懸念が、契約への障害として現実化したのである。

 が、そこからの岩隈サイドと古巣マリナーズの動きの速さは目を見張るものがあった。翌17日に1年契約で合意したと発表されたのである。さらに18日には本拠地セーフコフィールドで契約に対する記者会見まで行われたのだ。

 契約は1年だが、2017、18年は一定の条件をクリアすれば契約が自動延長されるオプションが付いている。年俸は来シーズンが1200万ドルが保証され、今後3年連続で190イニング以上投げれば総額4750万ドルになると見られている。条件がつけられているものの、結果次第ではドジャース以上の報酬を得られる可能性もあるのだ。マリナーズとしても、もしけがなどで期待するパフォーマンスができなくなったときのリスクをおさえる契約ができた形である。

 会見で岩隈は一旦決裂したものの16日にドジャースと再交渉したことを明かした。しかし同時にマリナーズとも交渉を行い、「一番熱意を感じた」ことからマリナーズを選んだということである。

 一方、ジェリー・ディポトGMによれば同じく16日にドジャースと岩隈の交渉が決裂したことを知ると、すぐに岩隈サイドと連絡をとり、再契約を決断するとチームCEOの許可をとり、契約をまとめたということだ。

 同GMに対して岩隈は「最初から最後まで連絡をくれた」と感謝の意を示している。

 気になるのはドジャースの検査で引っかかった健康問題である。会見で岩隈は「めちゃくちゃ元気ですよ。状態もすごくいい。このままトレーニングを続けてキャンプに入りたい」と語り、ジェフ・キングストンGM補佐は「彼の身体の状態に関しては、非常に安心している」と太鼓判を押した。

 とはいえ過去に肩や肘を故障したことがあり、今年も4月に右広背筋を痛め負傷者リスト入りしている。今後いかに身体の状態を良好に保ち、契約条件をクリアしていけるかが岩隈にとっては大きなチャレンジになりそうだ。