現地1月30日、オリオールズが17億2500万ドルで売却されることに合意したと、アメリカの複数メディアが報じた。

現在のオーナーはピーター・アンジェロス氏の一族。買収を計画しているのは世界的な投資会社カーライルグループの創始者で地元ボルティモア出身のデービッド・ルーベンスタイン氏と投資会社「アレスマネジメント」のマイク・アロゲティCEOが率いるグループ。ルーベンスタイン氏が主導権を持つと見られている。買収するグループは当初チーム株の40%を所有し、現在94歳のアンジェロス氏の死後、アンジェロス氏がオリオールズに残した権益を買い取ることになる。MLBオーナーらは来週オーランドで会合する際に売却の詳細について説明を受ける予定だという。

オリオールズは昨年12月、地元スポーツ専門局でオリオールズとナショナルズの試合中継を行っているMASNが2017年から21年の5年間のメディア権について総額3億400万ドルの支払い義務があるというMLBの仲裁について合意。さらに本拠地カムデンヤーズの使用について、所有するメリーランド州当局と30年間のリース契約を締結していた。

一方で、アンジェロス氏は現在94歳で、近年健康問題に悩まされており、自分の死後チームを売却することで相続税を減らしたいとの希望を明らかにしていた。しかし長男で会長兼CEOであるジョン氏が、父の死後も球団の支配権を維持する意向が報じられ、さらに母ジョージア氏とジョン氏の弟ルイ氏が対立するなど一家が分裂状態にあると見られていた。そのためチームの先行きが不安視されていたのである。

今回の買収が承認されれば、一家の大きな問題が一挙に解決されることになりそうだ。ただ一家の内紛がぶり返される可能性がないわけではない。

アンジェロス氏は1993年に1億7300万ドルでチームを買収しており、約30年間でチームの価値は10倍になったことになる。先に挙げたチームが抱えていた2つの課題を12月に解決したことで、売却額を損ねることなく、迅速に今回の売却交渉をまとめることができたのであろう。これでオリオールズファンは安心して新シーズンに臨めることができそうだ。