日本野球機構(NPB)と米大リーグ機構(MLB)側との協議が難航していた新しいポスティングシステム(入札制度)が基本合意に達したことが5日、明らかになった。

 複数の関係者によると、入札額の上限を2000万ドル(約20億円)に抑え、最高額を提示した球団が複数の場合は各球団と交渉が可能だという。

 今後、細部を詰めて正式に締結する。成立すれば、動向が注目される楽天の田中将大投手が今オフにも移籍可能になる。

 NPBの井原敦事務局長は記者会見し「文案の調整に入った。MLBとNPBでお互いに機関決定してサインできれば」と説明。16日に行われるプロ野球の実行委員会までに締結する意向を示した。新制度では入札額の上限が設定される代わりに、下限を日本の球団が設定できるという。

 田中投手は昨年12月の契約更改交渉の場で、将来的な大リーグ挑戦の希望を球団側に伝えた。今オフの移籍は明言していない。球団側も入札制度の利用については態度を明らかにしていない。

 NPBは3日の12球団代表者会議で、MLB側が求める入札額の上限を2000万ドルに設定する案を話し合い、楽天が難色を示したが、受け入れを決議していた。