【フォートローダーデール(米フロリダ州)20日(日本時間21日)=四竈衛】これもメジャーの洗礼?

 オリオールズ上原浩治投手(33)が、初めて抜き打ちのドーピング検査を受けた。練習開始前、無作為の対象者に選ばれ、同僚らと一緒にクラブハウスとは別棟の臨時検査室へ直行。採尿を行った。

 国際大会の出場も多く、日本でも経験のある上原にとって、検査自体は慣れたものだった。ところが、MLB機構が外部組織に依頼している検査は、かなり厳密だった。近年、米スポーツ界全体で薬物使用撲滅への意識が高まっているうえに、過去に他人の尿などを提出した「悪例」があることからも、検査官が一部始終をチェック。「日本では後ろからでしたが、ほぼ全裸で、しかも(検査担当者に)正面から見られてました」。日本で採尿の際には後ろからチェックされていたが、メジャーでは堂々と前からの“監視”に面食らった様子。不正防止が目的とはいえ、あまりの厳しい監視に上原も苦笑するばかりだった。

 その一方で、グラウンド内での調整ペースは順調そのものだ。21日(日本時間22日未明)には、初めてフリー打撃に登板。マイナー相手にのべ7人に対し、速球、フォーク、カーブ、カットボールを交え37球を投げ、ヒット性の打球3本に抑えた。試運転の域は出ないが、球数制限のある投球練習で球数増も検討中。ほぼ全裸にされても、上原の肝っ玉はどっしりとしていた。