<ナショナルズ1-5ジャイアンツ>◇4日(日本時間5日)◇ナショナルズパーク

 ジャイアンツのランディ・ジョンソン投手(45)が、ワシントンでのナショナルズ戦ダブルヘッダー第1試合で先発し、6回を2安打1失点に抑え、今季5勝目を挙げた。これでメジャー24人目の通算300勝(164敗)を達成。45歳267日での300勝は、46歳で到達したフィル・ニークロに次いで、2番目の年長記録となった。左腕では最多となる5度のサイ・ヤング賞、歴代2位の4845奪三振を誇るジョンソンが「最後の300勝投手」として偉大な勲章を加えた。

 最後の打者が空振り三振に倒れると、ベンチにいたジョンソンは真っ先に、バットボーイを務めた次男ターナー君(13)を抱き締めた。記念のボールは3人の娘と観戦したリサ夫人にプレゼント。普段は勝っても物静かな男が、試合後は30分も会見に応じるなど冗舌だった。「ここまでの道のりは長かった。キャリア22年で多くのチームメートに助けてもらったから、今の成功がある」と感謝した。

 代名詞だった100マイル(約161キロ)の速球は、もう見られない。スピードは全盛期から約10キロ落ちたが、速球とスライダーで攻める投球スタイルは変えなかった。一方で208センチの長身がマウンドに立つ威圧感を保ちつつ、「10年前より今の方が楽しい」と40代から制球派に転身した。この日の奪三振は2個。ただ四球も2個で6回を78球の少なさだった。5回無死までノーヒット。6回に失策の走者を適時二塁打でかえされたが、自責点0で先発の責任を果たした。300勝に王手をかけて最初の登板での1発クリアは、85年シーバー(当時ホワイトソックス)以来だ。

 メジャー初勝利は25歳という遅咲き。荒れ球を克服できなかった20代は通算64勝56敗とエースと呼べなかったが、30代は通算164勝54敗と「最強左腕」の名をほしいままにした。その間、最多勝、最優秀防御率、奪三振のタイトルを計12個、4年連続を含む5度のサイ・ヤング賞。04年には史上初の40代で完全試合を達成した。30代以降に挙げた白星の数なら、計236勝は歴代5位になる。

 ニークロの46歳188日に次ぐ高齢到達。ジョンソンは「45歳で300勝か。あと211勝あればサイ・ヤングに追いつくのか」と笑わせた。07年のグラビン(前ブレーブス)を「最後?」とする外野の声で300勝への執念を燃やし、腰を2度手術する引退危機も克服した。投手分業でシーズン20勝も難しくなった現在、ジョンソンの後に続く投手は、もうあらわれないだろう。「ビッグユニット」がまた1つ、大きな勲章をつかんだ。