米大リーグの新人ドラフト会議が9日(日本時間10日)ニュージャージー州セコーカスで開幕し、ナショナルズが全体1位で最速103マイル(約166キロ)右腕スティーブン・ストラスバーグ投手(20=サンディエゴ州立大)を指名した。同投手側の要求はドラフト史上最高の総額5000万ドル(約47億5000万円)と予想され、合意に至るかどうかは疑問視されている。ナ軍との交渉が決裂した場合、FOXスポーツ電子版は、レッドソックス松坂の代理人でもあるスコット・ボラス氏が「日本でのプレーを画策している」と報じた。

 ドラフト全体1位でナショナルズに指名された103マイル(約166キロ)右腕のストラスバーグに、まさかの日本球界入り情報が浮上した。ストラスバーグは34年のドラフト史上で14人目の全体1位指名の投手。北京五輪で大学生でただ1人米国代表入りし、契約後即メジャーデビューが可能と評される逸材だ。

 ナ軍と同投手の契約交渉期限は8月17日だが、9日付FOXスポーツ電子版によると、代理人ボラス氏はドラフト選手としては史上最高額の総額5000万ドル(約47億5000万円)を要求する意向だという。交渉の基準にしているのがレッドソックス松坂の契約内容で、06年に松坂がレ軍と結んだ約5200万ドルと比較し、すぐにメジャーでプレーできるストラスバーグも同等の契約を結ぶべきと主張しているという。

 だがナ軍には資金面に余裕がないのが現状。リッツオGM代行は「指名選手と合意するための資金を提供してくれる自信がある」と楽観的だが、昨年は1位指名のクロウ投手と金銭面で折り合わなかった。選手側が400万ドル以上の契約金を要求したが、球団側は350万ドルを限度として、結局契約に至らなかった。

 今回も交渉が決裂する可能性はある。同電子版記事によると、交渉が決裂した場合、ボラス氏が来年のドラフトまでストラスバーグを日本でプレーさせる案を検討しているという。同投手はまだ3年生のため、そのまま大学に残留することも可能だ。

 大リーグのドラフト選手では、過去にも契約交渉が決裂し、翌年のドラフトまで独立リーグなどでプレーした例がある。ただしストラスバーグほどの大物新人が日本の球団でプレーするとなると、日米球界に波紋を広げることは必至。同投手は「今は友人や家族とこの瞬間を楽しんでいる」と1位指名を喜んだが、「これから先に何が起こるかを見る」と間もなく始まる交渉は、波乱の幕開けとなりそうだ。