<オープン戦:メッツ4-2ブレーブス>◇2日(日本時間3日)◇米フロリダ州ポートセントルーシー

 【ポートセントルーシー(米フロリダ州)2日(日本時間3日)=佐藤直子通信員】メッツ五十嵐亮太投手(30)がオープン戦初登板で初セーブデビューを飾った。最速153キロの直球をマークし、ブレーブス打線を圧倒。セットアッパーでの起用を示唆するマニエル監督は「直球でストライクを取れていた」と評価した。日本人最速の158キロを誇るスピード王が、自らのカラーを前面に押し出す投球で存在をアピールした。

 日本最速158キロをマークした右腕がうなった。2点リードの9回、マウンドに向かった五十嵐は、気後れすることなく直球で勝負を挑んだ。デビュー戦でいきなりの守護神役。「7、8、9回のどれかでいくとは聞いていたけど、ギリギリまで分からなかった。ちょっとビックリ」という大役指名だった。普段はジョークを連発し、チームメートや地元記者も爆笑に巻き込むが、いきなり本気モードに切り替わった。

 最初の打席に立ったのは、08年まで日本ハムに在籍したM・ジョーンズ。前日に「打者有利なカウントで投げる直球に気を付けたい」と話していた通り、カウント0-2から内角低めに148キロを投じ、リズムをつかんだ。この日の最速は153キロ。対戦したブ軍打線は控え組に交代していたが、打者4人に全18球中15球を直球で押しまくった。「ここ最近ないくらい直球が多かった。昔の僕みたい」と照れ笑いを浮かべた。

 「ちょっと力んだ」と言うように、無意識のうちにアドレナリンを放出していた。試合後、何度も肩をさするほどの力投。ジョーンズを内角直球で中飛に打ち取ると、1死一塁からの左打者コンラッドを直球で二ゴロ、最後はクリーブレンを内角直球で中飛に打ち取った。フォークとスライダーは明らかなボール球となったが「ある程度真っすぐで詰まらせることができたのは、自分で自信になりました」と手応えは十分に感じている。

 試合直後、控え捕手の熱い抱擁に戸惑いながらも、記念ボールをしっかり受け取った。ワーセン投手コーチは「これまでの制球ほどではなかったが、初戦だからエキサイトしたのだろう」と及第点を与えた。「抑えられたことが良かった。これから課題をどんどんクリアしていきたい」。守護神の「K・ロッド」ことロドリゲスにつなぐセットアッパー有力候補。次回は4日か5日に2イニング予定。新天地で挑戦に乗り出した右腕が、大きな1歩を踏み出した。