【テンピ(米アリゾナ州)4日(日本時間5日)=大塚仁】エンゼルス松井秀喜外野手(35)が試合出場への最後のハードルを乗り越えた。今キャンプで初めてベースランニングの練習に参加。抑えめながらも無難にこなし、週明けの9日(日本時間10日)が有力とみられるデビュー戦に向け、視界が開けてきた。

 ストレッチ後にスタートしたベースランニング練習。本塁から一塁、一塁から三塁、一塁から本塁。場面を変えて行うランニングを黙々と消化した。「まだ6割ぐらい。あれでもいいならOKだけど、あれでは良くないと思いますから。もうちょっと上げないと」。他選手と同じメニューをすべてこなした。

 守備でも左翼から二塁や本塁に送球し、ストライクの位置にボールを集めて周囲の目を引いた。「ある程度、コントロールできる範囲内で走ってます。7、8割ぐらいにはしたい?

 本来ならね。まあでも行かなくても、それはそれで、出るのは大丈夫だと思います」。試合出場が確実に手の届くところまで来た。

 ソーシア監督は松井の実戦デビューについて慎重な姿勢を崩さない。最速で7日とみられるが「現段階で日程を決めるのは難しい。日曜日(7日)?

 可能性はある。様子を見てみましょう」とあくまで状態次第とした。7日の天気予報は雨。試合が行われたとしても雨模様の中で出場する可能性は低い。週明けになることも十分に考えられ、8日の月曜日はビジターのレンジャーズ戦とあって、9日にホームで行われるパドレス戦がデビュー戦になる可能性が高くなってきた。

 松井の実戦機会が少しずつずれ込んでいくが、エンゼルス首脳陣に焦りはない。ソーシア監督も「キャンプは投手たちが準備する期間。野手は50打席もあれば準備が整う。3週間あれば簡単」と平然と話した。満を持してのデビューがいよいよ近づいてきた。