【フォートマイヤーズ(米フロリダ州)21日(日本時間22日未明)=山内崇章】首、背中の張りで調整が遅れていたレッドソックス松坂大輔投手(29)が、今季初の実戦登板となるマイナー相手の紅白戦に先発した。エプスタインGM、ファレル投手コーチが視察する中、最速91マイル(約146キロ)をマーク。打者8人に対し無安打、無失点、1三振だった。登板翌日の体の状態が順調なら、25日(同26日)オープン戦のマーリンズ戦で今季初めてメジャー相手に投げる予定だ。

 松坂がようやく実戦マウンドを踏んだ。レ軍傘下のマイナー相手に、1回は先頭を見逃し三振。2番には四球を出したが、3番を三ゴロ併殺打に仕留めた。2回も4番から二ゴロ、遊ゴロ、二ゴロと簡単に3人で料理し、さらに特別ルールで打者2人を追加。走者一塁の場面で7番を左飛。続く8番は一、二塁の状況をつくって、二ゴロ併殺打に抑えた。

 打者8人に計32球を投げ無安打、無失点。体調の不安を一掃した上で実戦登板したことが、最大の収穫だった。この紅白戦は松坂の登板をつくるため、球団が急きょ設定したもの。キャンプ本拠地から約2キロ離れたマイナー施設にはエプスタインGM、ファレル投手コーチが視察に訪れた。キャンプイン直前に背中の張りを訴え、13日には首の張りでスローダウン。不安を抱えていただけに、首脳陣を安心させる投球だった。

 登板後の状態が順調なら、25日(同26日)メジャー相手のオープン戦マーリンズ戦に登板する予定だ。ファレル投手コーチは「4日前のフリー打撃登板よりも、はるかに腕が振れていた。投球が改善された。25日には2~3イニングを投げさせ、その後は中4日のローテで投げさせたい」と、今後の調整プランを明かした。

 シーズン初登板までには最低6試合の登板が必要とされ、公式戦初登板は4月中旬にずれ込むことが予想される。それでも復活へのスタートラインに立って上々の試運転。松坂は「今必要な準備を着実に進めていきたい」と、1歩1歩階段を上がる姿勢を示した。