ツインズは好印象だ。ポスティングシステム(入札制度)でメジャー移籍を希望するロッテ西岡剛内野手(26)が29日、入札球団がツインズと判明してから初めて公の場で発言。都内のホテルで行われた「第39回三井ゴールデン・グラブ賞」の授賞式に出席。ツ軍は9年で6度の地区優勝を果たしているだけに「僕自身、強いチームに行きたかったので、うれしく思います」と、相思相愛を強調した。

 ア・リーグ中地区屈指の強豪の落札に、西岡の表情は緩んだ。独占交渉権を得たツインズの印象を聞かれると「非常に若いチームでスター選手もいる。毎年プレーオフ争いもできるところ。僕自身、強いチームに行きたかった。刺激し合って成長できる。そういう意味でうれしく思いますね」と、素直な胸の内を明かした。

 強いチームに憧れるのは自然な感情だった。08年から2年連続Bクラスを経験。だが今季「日本一だけ目指してやってきたし、なれると思っていた」と言うように、主将として頂点を目指す気持ちは強かった。シーズン中のミーティングでも「CSではなくリーグ1位を目指そう」と呼びかけるなど、常に目標は高く持ち続けていた。

 マウアー、モーノー、ヤング、カダイアーの中軸はメジャー屈指の攻撃力を誇る。そこにつなぐ役割を任される可能性が高いが「やってやるぞという気持ち。自信と不安は両方一緒ぐらいあります」と、胸の高鳴りを抑えるように表情を変えなかった。この日はピンストライプのスーツだったが、ツ軍は1912年からピンストライプのユニホームを着用。ユニホームを着ているイメージはしているかと聞かれると「ハハ」と少しだけ無邪気な笑みを見せた。現時点では二塁の起用が有力だが「まだ監督と話してもいないし、ポジションは分からない。とにかく試合に出られるようにやるだけ」と、守備位置へのこだわりは見せなかった。

 同じくポスティングでの移籍を目指した楽天岩隈がアスレチックスとの交渉が暗礁に乗り上げていることについて問われると「金額はこちらからどうこういうことはない。100%代理人に任せている」と、条件面については多くは口にしなかった。2歳で野球を始めたころからの夢がかなうのも目前だ。「へこたれずに負けないように人生を楽しみたい。アメリカでもチャンピオンをつかみとりたい」と力強く宣言した。【斎藤庸裕】