【ポートシャーロット(米フロリダ州)2日(日本時間3日未明)=四竃衛】米球界10年目を迎えた松井秀喜(37)が始動した。マイナー契約を交わしたレイズの入団会見から一夜明け、午前9時から始動した。来週中にもノースカロライナ州が本拠の傘下マイナー、3Aダーラムに合流し、最短で16日(同17日)からの本拠地8連戦でのメジャー昇格を目指す。1日(同2日)には、左太もも裏を痛めていた主軸のロンゴリアが故障者リスト入り。松井への期待が高まってくるのは間違いない。

 松井が、最短で16日(日本時間17日)にメジャーに合流する可能性が出てきた。今後の調整について、フリードマンGMは「毎日プレーできるように準備ができてから判断する」と、基本的には松井のペースを尊重する方針。2月の渡米後も練習を続けてきた松井は体調面での不安はなく、「かなり早い段階で試合ができると思います」と話している。来週中にも傘下3Aダーラムでの実戦調整に入り、状態が整えば16日からの本拠地8連戦でレ軍デビューもありそうだ。

 現在はビザを取得していないため、マイナーでも公式戦には出場できないが、若手らの練習試合には出場可能だ。早ければ今週中にも実戦形式の打撃練習を開始し、ビザの取得を経て、3Aダーラムで実戦を通した最終調整に入る。

 レ軍首脳陣は、松井合流の具体的なプランを明かしていない。ただ、4月30日のマリナーズ戦で負傷退場した主砲のロンゴリアが左太もも裏痛で故障者リスト(DL)入りした。1~2カ月は得点源を欠くだけに、松井への期待が高まってきても不思議ではない。

 ヤンキース時代の同僚で、開幕後にインディアンスとマイナー契約した1歳年上のデーモンは、契約から2週間後の1日にメジャーに昇格した。「常にチームが勝つために何ができるかを考えてやってきましたし、これからもそれをやるだけです」と意気込む松井も、10年目となるメジャーの舞台でプレーする機会は意外と早く訪れるかもしれない。

 ◆ダーラム・ブルズ

 ノースカロライナ州の中央部ダーラムを本拠地とし、レイズ(当時はデビルレイズ)創設の98年からレ軍傘下。昨季はインターナショナルリーグの南地区1位でプレーオフに進出。今季は4月29日まで13連敗を喫するなど、ここまで8勝18敗のリーグ最下位と出遅れた。モントーヨ監督はマイナー監督歴16年を誇り、09年にはマイナー全体の最優秀監督に選ばれた。同監督は地元紙の取材に「素晴らしい選手だと聞いている」と松井加入に期待した。チームには現在、背番号55を付けている選手はいない。