浩二ジャパンが、激震に見舞われた。来年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表のエース候補だったレンジャーズ・ダルビッシュ有投手(26)の大会不参加が、正式決定した。レ軍が6日(日本時間7日)、発表した。大リーグ2年目の来季への調整に専念したいなどとの本人の意向で、見合わせた。出場を打診しながら返答がなく混迷していたメジャー6選手の中で、辞退者の第1号。川崎宗則内野手(31=マリナーズFA)も不参加が濃厚であることが判明し、大会3連覇へ暗雲が漂ってきた。
ダルビッシュは日の丸ではなく、自分の未来を選んだ。レ軍を通じてWBC不参加を正式表明した。前回大会09年では先発だけでなく、準決勝と決勝では守護神として2大会連続の世界一に貢献。メジャーを1年間経験してレベルアップし、今回の侍ジャパンでも主力としての期待が大きかった。山本監督だけではなく、日本中の野球ファンが失望する一報だった。ダルビッシュは「コーチやトレーナーと度重なる熟考を重ねた結果、来るワールド・ベースボール・クラシックに参加しないことを決定しました。13年のシーズンに備えるにあたり、十分な休息を取ることが最も重要なことだという結論に至りました」と、英語での談話を発表した。
WBCだけでなく、08年北京五輪でも、日本代表としてプレー。「母国日本を代表することは、いつでも素晴らしい栄誉」との思いは明かしたが、今回は見送った。日本球界を背負って戦う意義を感じていたなど、複雑な心情を吐露した上での「非常に難しい決断」と苦しい胸の内をのぞかせた。だが大リーガーとして迎える2年目にかける意欲が、WBCよりも勝ったという最終結論だった。
浩二ジャパンが出場を要請しているメジャー6選手の中で、辞退1号。ヤンキースのイチロー、黒田らは来季の所属先、契約が未定。本人の意向とは別に、他5選手は当初から参加へ障害があり、難航が予想されていた。
ダルビッシュだけが、無風といっていい状態だった。昨オフに、レ軍と6年契約して1年目で16勝を挙げる活躍を見せた。WBC出場のためにキャンプに参加できなくてもレ軍での立場は確立しており、長期的な保障もある。メジャー開幕前に全力プレーをすることによる故障の可能性だけが、日本代表としてのリスクだった。9月4日に日本プロ野球選手会が正式に大会参加を表明した時点で、出場する意思はあったが「熟考を重ねた結果」で翻意した。
レ軍ダニエルズGMは「プレッシャーを感じる中で下した決断だ。最終的には、個人の決定」と、球団が関与していないと断言した。今回は日本代表監督の選考から揺れるなど、かねて権威、大会の価値が疑問視、論議されてきたWBC。ダルビッシュの出した答えはまた一石を投じるような、悲しい現実だった。
◆WBCに出場要請中の大リーガー動向
今回、現段階で正式に出場を要請されている選手は6人。不参加を表明したレンジャーズ・ダルビッシュ、厳しい見通しが明らかになった川崎のほか、4人も流動的だ。ともにヤンキースをFAとなっているイチローと黒田はヤ軍と契約交渉中だが、所属先が未定で返答を保留。黒田は先発として来季も重要な役割を担うだけにダルビッシュ同様、球団も含め慎重に判断しなければいけない状況になりそうだ。イチローは心機一転、再スタートするキャンプと大会期間が重なり、所属先の理解を得る必要がある。ブルワーズ青木は球団側が難色。マリナーズ岩隈は今オフに2年契約を結び直したばかりだが、右肩の不安を慢性的に抱えている。故障の危険性を加味すれば断念する可能性もある。




