通算647本塁打を誇るヤンキースのアレックス・ロドリゲス内野手(37)に契約解除の可能性が浮上した。マイアミ・ニュータイムズ紙電子版が29日(日本時間30日)に報じた禁止薬物入手問題で名前が挙がり、一部メディアは残りの契約無効の可能性に言及した。ロドリゲスは代理人を通じて報道を否定したが、強い逆風が吹いている。

 ロドリゲスらはアンチエイジング専門のマイアミのクリニックから禁止薬物を入手したという。マイアミ・ニュータイムズ紙が入手した資料には、クリニック代表者とロドリゲスら顧客との禁止薬物や金銭のやりとりの記録が詳細に記されている。ロドリゲスは過去に01~03年までの禁止薬物の使用を認めたが、04年以降の潔白を主張してきた。だが、資料には09~12年のヒト成長ホルモンなど16度の購入履歴が残っていた。これを受け、大リーグ機構(MLB)は調査に乗り出した。

 スポーツ専門局ESPN電子版はMLBが不正を認めた場合、「ヤンキースはスター三塁手との契約無効を模索するつもり」と関係者の話を根拠に言及。07年オフに結んだ10年総額2億7500万ドル(約247億5000万円)の超大型契約の残り5年の行方に踏み込んだ。一方で「薬物使用で契約無効に成功した前例はない」との見解も別の関係者の話として伝えた。

 ロドリゲスの代理人は「クリニックの代表者から治療や助言を受けたことはない」との声明を出した。だが、過去に禁止薬物使用を認めた「前科」がある。今月股関節の手術を受けるなど故障と不振が目立つベテランに厳しい目が向けられている。