日本ハムがキューバ出身の元大リーガー、フアン・ミランダ内野手(30)の獲得を目指していることが15日、分かった。20日に来日して秋季練習にテスト参加。球団側は高く評価していることから、最終チェック後に契約合意に至ることが濃厚だ。ヤンキース、ダイヤモンドバックスで通算11本塁打のメジャー経験を持つ左の大砲。今季はメキシカンリーグでプレーし26本塁打。今季本塁打王のアブレイユとキューバコンビで、来季は破壊力満点の打線形成に一役買いそうだ。

 最下位に沈んだ日本ハムが、早くも来季の逆襲の土台固めへと着手した。新外国人として、名門ヤ軍で松井秀喜氏(39)とチームメートだったミランダに、新外国人として食指を動かしていることが判明した。キューバ代表経験を持ち、ダ軍を含めてメジャー2球団でプレーし、通算11本塁打の左のパワー打者。20日に来日し翌21日から千葉・鎌ケ谷での秋季練習にテスト参加。フロントが最終チェックをして合否を決定するが既に高評価で、そのまま契約合意する可能性が濃厚な情勢になっている。

 経歴は少しベールに包まれているが、魅力あふれる大砲だ。WBC、五輪など主要国際大会の出場経験はないが、若手のころからキューバ代表に選ばれた逸材だった。将来を有望視されるエリートで04年に新天地を求め、いかだで亡命。これが7回目の挑戦だったとの一部情報もあるほど、大リーグでの活躍を目指していた。05年にドミニカ共和国の国籍を取得。06年にヤ軍が4年総額200万ドルの契約を結んだことからも、知る人ぞ知る存在だった。

 ヤ軍には10年まで在籍。08年から3年間はメジャー昇格も果たして松井氏らスター選手とプレーしたが、定位置は奪えず。同年オフにダ軍へトレード移籍した。11年には自身最多65試合に出場。同年オフにデビルレイズとマイナー契約したが頭角を現すことができず、今季はメキシカンリーグでプレーし、26本塁打と活躍。栗山監督が「最低でも投手1人、打者1人は使えないと、(球団に)お願いしている」と申し入れていた新外国人の第1弾、野手の筆頭候補として白羽の矢を立てた形になった。

 今季は3番アブレイユ、4番中田と固定できたが、ともに右打者。稲葉、今季途中で解雇したホフパワーらの不振もあり中軸の一角を任せられる人材、さらに左の長距離砲は来季の補強ポイントの1つだった。キューバから亡命し、米球界でプレーして、メキシカンリーグで実績を残した。来日1年目の今季31本塁打でタイトルをつかんだアブレイユと系譜が重なるだけに期待できそうだ。チーム再建のキーマンの1人、「日本ハム・ミランダ」が早ければ今月中にも誕生することになりそうだ。

 ◆フアン・ミランダ

 1983年4月25日、キューバ生まれ。04年に亡命し、05年にドミニカ共和国の国籍を取得。06年にヤンキースと契約し、08年にメジャー昇格。10年にトレードでダイヤモンドバックスに移籍。メジャー通算111試合で257打数58安打37打点11本塁打、打率2割2分6厘。今季はメキシカンリーグで107試合に出場し、357打数131安打86打点26本塁打、打率3割6分7厘と活躍した。守備位置は主に一塁。183センチ、100キロ。左投げ左打ち。