ゴメ・ドンにメロメロ~。3点ビハインドも何のその。4回に阪神4番マウロ・ゴメス内野手(30)がチーム1号となる特大2ランをぶっ放し、反撃開始の号砲を鳴らした。昨季は開幕18戦目だった1号を早くもお届けした主砲。さあ、何本まで積み上げてくれるのでしょうか、倍率ドン、さらに倍!

 大きな当たりは左翼スタンド上段に吸い込まれた。着弾を確認すると、ゴメスはゆっくりとダイヤモンドを回り出した。スタンドを黄色に染めた虎党が、一斉に立ち上がった。0-3と劣勢ムードだった京セラドーム大阪の空気を、4番はガラッと変えた。

 「甘い球を逃さずにいけた。0-3で負けていたところから1点差になったので、いけるかなと思ったし、その後に福留さんも打ってくれた」

 3点を追う4回無死一塁。カウント2-0からの3球目だった。「打てる球を粘って待った。第1打席で見て、(中日八木の球が)速い球ではないと思ったから呼び込んでね」と、ど真ん中132キロ直球にタイミングを合わせて振り抜いた。完璧な放物線が、3回まで中日八木に1安打だった打線に火を付けた。

 新たな登場曲が、特大弾のイントロになった。前日28日まではEl Alfaの「Con To Los Cascabeles」だったが、Lil Wayneの「Coco」にチェンジ。この日の朝、球場に持ち込み変更を頼んだという。

 「特に理由はないんだけど、好きな曲だったから替えたんだ。うまくホームランにつながってくれたね」。お気に入りの一曲で、気持ちを高ぶらせた。高揚感が飛距離を上乗せした。

 日本球界1年目の昨年は4月17日広島戦で第1号をマークした。18試合、開幕から78打席目での1発だった。15年はそこから約半月早く、11打席目での1号だ。「去年は80打席ぐらいを立ってだったけど、早い打席数で打ててうれしいよ」と笑顔。昨季は26本塁打に終わったが、これは増量間違いなし!? 4番がリズムに乗って本塁打を量産すれば、猛攻はエンドレスだ。【宮崎えり子】